すでに約40機を喪失?

高性能な新型対戦車ミサイルを使用か?

 イギリス国防省は2023年7月27日(木)、ウクライナ紛争の状況に関する分析を更新。ウクライナ軍が南部ザポリージャ州で大規模な反攻を継続する中、ここで最も影響力を発揮している唯一のロシア軍兵器は、Ka-52攻撃ヘリコプターだと指摘しています。


30mm機関砲を射撃するKa-52(画像:ロシア国防省)。

 Ka-52攻撃ヘリは、尾部ローター(回転翼)がなく、代わりにメインローターが上下に2組ある、いわゆる二重反転式と呼ばれる構造なのが特徴です。機体は装甲で覆われ、多数の武装やセンサーを装備し、ウクライナではロシアによる侵攻が始まった当初から用いられています。イギリス国防省では、同機による空からの攻撃によってウクライナ軍は大きな被害を被っているとする一方、紛争開始以来、約40機が失われた可能性が高いと推察しています。
 
 加えて、同国防省は、ここ数か月の間、ロシア軍が少数の新型機「Ka-52M」でウクライナ南部に展開する戦力を増強しているとも分析しています。Ka-52MはKa-52の派生型で、シリアでの戦訓を反映して大幅な改造が施されています。
 
 また、Ka-52攻撃ヘリに射程約15kmの新型対戦車ミサイル「LMUR」が装備されるようになったことで、ウクライナ軍の防空兵器の射程外から攻撃を行っているそうです。

 イギリス国防省は、ウクライナでの「Ka-52M」の使用を裏付ける証拠として、乗組員がこの機体の隣でポーズを取り、物資を送った支援者に感謝する写真がSNSに投稿されたことをあげています。
 
 ※一部修正しました(7月29日19時00分)。