もはや常習犯な煽り運転!

「直ちに止めろ!」米中央空軍司令も抗議

 アメリカ空軍は現地時間の2023年7月23日、シリア上空で無人機のMQ-9「リーパー」が、ロシア空軍のSu-35Sと見られる戦闘機の発射したフレアに当たり損傷したと発表しました。


パイロットの顔が見えるほど接近するSu-35S(画像:アメリカ空軍)。

 MQ-9は直撃したフレアで、プロペラを損傷したそうですが、幸い飛行状態は維持され機体は基地へ帰還したとのことです。

 2023年現在、シリア上空ではアサド政権を支持するロシアと、反体制派につくアメリカが互いにイスラム過激派であるISISの空爆のために軍事介入をしており、2015年からは互いの軍事衝突を避けるため管理空域を定めています。

 しかしロシアはここ数か月、アメリカ軍機に挑発的な行動をとるようになっており、2週間前の7月8日にもMQ-9に対しロシアのSu-35が危険な接近行為を行い、同地を担当しているアメリカ中央空軍は「無謀な行為をやめ、プロに期待される行動基準を守るよう強く求める」と批判していました。

 今回の行為に関しても、中央空軍の司令官であるアレックス・グリンケウィッチ中将が「ISISの敗北を確実にするという我々の使命を損なうものだ。この無謀で、プロフェッショナルさにかける行為を直ちに終わりにするように求める」と声明を発表し、抗議しました。
 
 なお、2023年4月には黒海上空でロシア軍戦闘機Su-27とアメリカ空軍のMQ-9が衝突し、MQ-9が墜落している事故も発生しています。同事故後には墜落させたロシア軍機パイロットが勲章をもらっています。その影響で、こうした挑発行為が増えているのではとする考えもアメリカ空軍内にはあるそうです。