戦車部隊つくります! 韓国K2よりやっぱり「レオパルト2」のワケ リトアニア動く
戦車取得の第一歩。
ベラルーシとロシアと国境を接する最前線の国
リトアニア国防省は現地時間の2023年7月26日、ドイツ製主力戦車の「レオパルト2」を購入するため、ドイツの防衛産業との意向書に署名すると発表しました。
現在ドイツ軍が運用している「レオパルト2A7」(画像:ドイツ連邦軍)。
同国のアルビダス・アヌシャウスカス国防相によると、「近いうちにドイツの製造業者と意向書に署名する予定である」とのことです。まだ詳細は明かせないと国防相は報道陣に答えたそうですが、意向書を交わす相手企業に関しては、ドイツのクラウス・マッファイ・ウェグマン(KMW)と見られています。
リトアニアは、ラトビア、エストニアと共にバルト3国と呼ばれており、ベラルーシやロシア飛び地領土であるカリーニングラードにも接しています。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアその友好国であるベラルーシに備え、地上戦力の拡充を図っており、今回の「レオパルト2」の購入もそのひとつです。同国はこれまで装甲車両や自走砲は運用していましたが、戦車を保有していませんでした。
そのため、ドイツ軍を中核としたNATO多国籍地上部隊が中心となり防衛を担っていましたが、周辺国との軍事的緊張の高まりにより戦車大隊と師団の創設が構想にあがっており、最大54両の戦車を購入するとみられています。なお、同件に関連する改正法は6月に提出される予定でしたが、9月に臨時国会に変更となっているようでアヌシャウスカス国防相は「私たちはこの法案を通して法律に書き込まなければこれ以上この活動を発展させることはできない」と話しました。
なお、他の戦車の候補としては、「レオパルト2」のほか、アメリカのM1A2「エイブラムス」、韓国のK2「ブラックパンサー」などもあがっていましたが、NATO加盟国14か国で運用されている実績と、リトアニアの国情にあった運用要件を考慮した結果、「レオパルト2」となったようです。なお、「レオパルト2」には現在、欧州に広く普及している「レオパルト2A7」のほかに最新型の「レオパルト2A8」もありますが、どちらのタイプになるかの詳細は発表されていません。