崖を削ると、崖を下りてくる道路も削られることになってしまうのです。

最後の「未事業化区間」いよいよ本腰


狭く混雑する十条地区周辺の道路(画像:東京都)。

 東京都は2023年7月14日(金)、北区内で整備が図られる都市計画道路「補助第83号線」のうち、まだ事業化されていない残り工区について、事業化に向けた測量に着手していくとし、地元説明をはじめると発表しました。

 補助第83号線は赤羽駅と十条台をむすぶ道路で、JR京浜東北線に並行して赤羽〜王子の縦軸を担います。周囲には十分な車道幅と歩道が確保されている南北道路が無く、生活道路密集地帯となっているため、2002(平成14)年度から順次整備事業が進められてきています。

 中十条地区を中心に、用地取得がおおよそ進展している工区もあります。その中で今回の工区は、唯一の未事業化区間となっていました。

 本工区が難しいのは、西側住宅地が崖のように高くなっていること。拡幅すれば、現道に下りる坂道の高低差がどうしようもなくなるため、「坂道とその沿道家屋を丸ごとセットバックする」という工事も必要になってくる見込みなのです。

 事業化に向け、この高低差処理により影響範囲が広くなることも含め、地元向け説明が行われることとなります。