高校サッカーインターハイ注目選手　GK＆DF編

後編「注目のMF＆FW８選手」＞＞

７月29日から北海道旭川市で高校サッカーのインターハイがスタートする。今年も全国各地から指折りの選手たちが参加する大会となったが、ここではなかでも注目のGK＆DF６人をピックアップ。今大会の活躍でプロ入りを狙っている選手たちを紹介する。


静岡学園のGK中村圭佑

中村圭佑　
（なかむら・けいすけ／静岡学園／GK／３年／187cm、80kg)

　高校１年時から継続して年代別日本代表候補に選出され、昨年から名門校の正守護神に。主将に就任した今年、コーチ陣も驚くほどの進化を遂げている。

　際立つのは、シュートストップ。以前はチームを救うようなプレーが少ないことを指摘されていたが、今年は首位に立つプレミアリーグWESTやインターハイ予選でビッグセーブを連発し、チームを勝たせ続けている。

「(こだわってきたことで)練習でも決められる気がしないというか、そのくらいシュートストップが上達してきている」（中村）

　187cmのサイズとリーダーシップ、安定感の高まってきたキックも備え、Jリーグクラブからの評価は高い。インターハイで「日本一のGKになりたい」という目標を実現したい。


前橋育英のGK雨野颯真

雨野颯真　
（あまの・そうま／前橋育英／GK／３年／185cm、79kg)

　２年生守護神として戦った１年前のインターハイは、５試合でわずか１失点。決勝では２度のビッグセーブを見せるなど１−０で終え、13年ぶり２度目となる全国制覇の立役者となった。

　名門校の主将を務める今年は、Ｕ−17日本代表、Ｕ−17日本高校選抜に選出された。「１年でいろいろなことを経験して、そういう経験が自分の財産になった」と語るGKは今回、大会屈指の守護神として２連覇を狙う。

　今年のプレミアリーグEASTではPKや１対１を止めて勝ち点をもたらしており、安定感の高いキャッチングも含めて彼を攻略することは容易ではない。自身を除く優勝メンバーが卒業し、「去年よりもピンチの数が多くなると思う」というなかで、守護神が再びライバルたちの前に立ちはだかる。


青森山田のDF小泉佳絃

小泉佳絃　
（こいずみ・かいと／青森山田／DF／３年／190cm、77kg）

　190cmの身長を活かしたエアバトルは迫力十分。高校屈指の強豪で２年生から定位置を掴んできた実力者だ。中学時代から競り合いに自信を持っていたが、高校に入ってからはサッカーIQが向上。

「青森山田に来てサッカーを深く知れて、楽しいと思えることが増えた。跳ね返しと戦う姿勢を頑張ればいいかなと思っていたのですが、ビルドアップの面白さや駆け引きなどがすごく勉強になった」

　巨体を生かした守備は今大会でも屈指で、狙うは高卒でのプロ入り。「どこで誰が見ているかわからないので、どの試合でも最高のパフォーマンスができるよう準備していきたい」と口にする小泉にとって、インターハイは最高のアピールの舞台だ。


東邦のDF朴勢己

朴 勢己　
（ぱく・せぎ／東邦／DF／３年／184cm、75kg）

「いいところを見ているし、ターンもうまい。背もあって自分と似ていると思うので、参考にしている」と朴が憧れるのはセルヒオ・ブスケツ。スペイン代表のレジェンドと同じく、本職はボランチだが、「真ん中なら、どこでもやれる自信がある」と縦のラインならどこでもこなせる。

　現在はセンターバックとして184cmの高さを活かした競り合いで相手アタッカーを封じつつ、自陣から中長距離のフィードを入れて、攻撃のスイッチも入れるのが売り。ボール扱いに自信があるため、相手の圧を受けても落ち着いてプレーできるのが特徴だ。

　能力は高卒プロを狙えるレベル。「全国大会ではJのスカウトに自分の存在をアピールして、プロに行きたい」と意気込む。


青森山田のDF山本虎

山本 虎　
（やまもと・とら／青森山田／DF／３年／183cm、78kg）

　恵まれたサイズと、左右両足から繰り出すキックが魅力のセンターバック。付属中学時代から期待されながら、分厚い選手層に阻まれＡチームでの出場機会を伸ばせなかったが、最終学年を迎えた今季は主将としてチームを支える。

「自分が一番やらなければ誰もついてこない。人に任せていたら、成長しないと思っている。高卒プロを目指しているので、個人の結果も今年は大事になってくる。プレーで引っ張って行きたい」

　入学当初は線の細さが課題だったが、肉体強化によって対人の強さは増している。高さを活かした競り合いの強さも魅力で、守備だけでなく、リスタートでは得点源にもなっている。監督が代わっても強い青森山田を証明できるかは、彼のプレー次第だ。


神村学園の吉永夢希

吉永夢希　
（よしなが・ゆめき／神村学園／DF／３年／177cm、69kg）

「将来的にはジョルディ・アルバのように毎試合、得点に絡みたい。後ろの選手ですけど、得点でチームを勝たせられる選手になりたい」

　その言葉どおり、高い攻撃性能を誇る左サイドバック。自陣から勢いよく左サイドを駆け上がり、前方の選手を追い越してチャンスを作る。攻撃力は高校年代でもずば抜けており、Ｕ−17日本代表では左サイドハーフで起用された。チームでも彼を生かすため今年は３バックを併用し、攻撃力を発揮しやすいウイングバックとしてもプレーする。

　守備力には成長の余白を残すが、上のステージで活躍できる可能性は十分ある。すでに複数のJクラブの練習に参加するが、獲得に名乗りを挙げるクラブは増えており、争奪戦の色を呈している。