【スポーツメンタル】「賞金」がメンタルを左右する?
ここ最近、賞金を頂ける競技の選手からコーチング依頼が増えてます。
競艇、競輪、騎手など公営競技の方からの依頼が増えてます。
コロナ禍になってからポツポツとお問い合わせが。
そんな自分の力次第で年収が決まる…来年はどうなるか?
結果を出しても、怪我したら無収入…
そんな目に見えないプレッシャーと戦う競技のアスリート達と接してます。
【関連記事】【スポーツメンタル】瞑想って脳科学的に効いているの?科学的な裏付けを解説
そんなプレッシャーが凄い選手にとってある意味では賞金がとっても大事になってきます。
そしてその賞金が1番のモチベーションになったりする人もいます。
しかし、この賞金がネックになることがあります。
その理由の一つに、賞金を目標にすることで気持ちのブレが生まれるからです。
それを、一喜一憂という言葉で表せます。
例えば、年末年始のお年玉。
皆さんも何度も何度も貰った経験があると思います。
そこで、初めて貰ったお年玉はいつだったか覚えてますか?
私は物心がついた頃だったので小学校低学年の頃に貰いました。
お婆ちゃんに貰ったのを覚えてます。
大きな額では無かったのですが千円札を見て興奮したのを覚えています。
いつもお小遣いで硬貨を少し貰う程度。
お札を知っていても手に入れる方法は知りません。
そんな私がお年玉で初めてお札をゲットするわけです。
親戚が集まる場所になると、なぜかお年玉を貰えるのです。
すると、年末年始は田舎にいきたい…より多くの大人が集まる場所に…
そんな疾しい気持ちを抱くようになります。
そしてお年玉の額を数えては一喜一憂するのです。
なんなら、妹や親戚の同年代に比べ少しでも差があると物凄く残念な気持ちになるのです…笑
昔は千円札で発狂していたのに、歳を重ねるごとに満足しなくなるのです。
怖い話ですよね…笑
しかし、これって何かに似てませんか?
そうケイリンやゴルフなどで得られる賞金。
似てるようで似てないとも言えます。
お年玉は頑張る要素がありません。
生まれや地域差はあるかもしれません。
一方の賞金は本人の頑張りや才能に左右されます。
だから「健全ではないのか?」と思われがちです。
その上で、ある点では似てると思うのです。
それが「増える喜びよりも減る辛さ」になります。
増えていく分にはいいんです。
イケイケなのでモチベーションも高いです。
しかし、増え続けないのがお年玉と賞金の共通点。
ある時に頭打ちになるのです。
増えるよりも、減る方が辛いんです。
トップアスリートだと、確定申告後の所得税で引かれる時。
増えたのに、減る。
あの2月、3月の感覚と一緒です…笑
「減る」はお金に限らず、「人気」も同じ原理です。
最初は貪欲に頑張れるものです。
しかし年数を重ねると辛さが増えます。
お金のためではなく、競技を好きでやっているはずなのに・・・
お金のために競技を続けるマインドに次第になっていくのです。
そういった心理は、賞金が年収に直結するアスリート特有の悩みだと思います。
では、そういった罠にハマらないためにはどうしたらいいのでしょうか?
そこで思い出したいのが、競技を始めた理由です。
お金のために初めた人は、ほとんどいないと思います。
それくらいスポーツって、純粋な気持ちが宿ってます。
その純粋な気持ちを思い出したいのです。
思い出すだけでいいです。
それくらい大事なエッセンスがあります。
これを心理学では、内発的動機と言います。
この動機付けを大事にしたいのです。
真摯に向き合ってきた競技への熱い思い。
大事なんですよね。
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。