調査会社StatCounterのデータで、Linuxのデスクトップ向けOSシェアが3%超えとなったことがわかりました。これはLinuxの30年以上の歴史の中で記録的な数字だということで、一部で盛り上がりを見せている一方、「Linuxの1ディストリビューションであるChromeOSが別計算されている」と冷静なツッコミも入っています。

After 30 Years, Linux Finally Hits 3% Market Share

https://linuxiac.com/linux-hits-3-percent-market-share/



以下がStatCounterのデータです

Source: StatCounter Global Stats - OS Market Share

Linuxのシェアは2%台後半で推移してきましたが、2023年6月のデータで3.07%と、3%の大台に乗りました。



Linuxとオープンソースソフトウェアに関するニュースを扱うLinuxiacによると、Linuxは長らくサーバー向けOSで支配的な立場にあったものの、最近は「開発者向けの最適なOS」として急速に勢いを増してきていたとのこと。

3%というシェアは全体からみればわずかですが、「Linuxのパワーと多用途性に対する受け入れと認識が高まっていることを意味する」として、Linuxiacは「市場シェアは今後数年間、拡大し続ける」と予想しています。

なお、ゲームプラットフォーム・Steamでのハードウェア&ソフトウェア調査でもLinuxのシェアは伸びています。これはArch LinuxベースのカスタムOSを搭載したゲーム機「Steam Deck」の影響とみられます。

SteamユーザーのOSシェアでLinuxが約3年ぶりに1%を突破、「Steam Deck」の影響か - GIGAZINE



しかし、Steamで販売されるゲームは大半がLinuxに対応しているので、ゲーム用OSとしてLinuxを選択するユーザーが出ることでシェアが増加しているという側面は確かにありそうです。

Steamで販売されるPCゲームの約8割がLinuxに対応、LinuxはPCゲームプラットフォームとして成長を遂げている - GIGAZINE



by Miguel Ángel García Guerra

ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでは、この話題に多くのコメントが寄せられています。

Linux has achieved a 3% desktop market share | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=36676103

ユーザーのDiabloD3氏は「なぜこんな記事が書き続けられるのか不思議です。LinuxはどのOSよりも多くのコンピューターに搭載されています。事実上すべてのサーバー、大多数の携帯電話、TV、STB、ストリーミング用端末に搭載されていて、ChromeOSの背後にも存在します」とコメントしています。

実際、StatCounterではLinuxの1ディストリビューションであるChromeOSが別枠でカウントされていて、2023年6月のシェアは4.13%なので、Linuxと合わせると7.2%になります。2022年6月時点ではLinuxが2.42%、ChromeOSが1.71%で合計4.13%で、ChromeOSの急進はChromebookの普及によるものとみられます。

なお、ChromebookではLinuxが実行できないようになっているとの指摘がaskiiart氏から行われており、事情を踏まえると、ChromeOSとLinuxを分けてカウントする方が妥当なのかもしれません。