乗用車感覚のバンコンなのに車内で立てる快適キャンピングカー5選
キャンピングカーを選ぶ場合、多くの人はトヨタ ハイエースや日産 キャラバンなどのワンボックスの室内にベッドやシンクといった装備を架装したバンコンバージョン(バンコン)か、トヨタ カムロードなどのトラックのシャシーに居住スペースを設置したキャブコンバージョン(キャブコン)のどちらにするか悩むはず。
バンコンは乗用車感覚で運転できるというメリットがある一方、車内はキャブコンより狭く、とくに車内では常に屈んだ状態で過ごさなければいけないのがデメリットになります。反対にキャブコンは広く高さのある居住スペースで快適に過ごせますが、ベースがトラックなので移動が大変というデメリットがあります。
そんなバンコンとキャブコンのデメリットを解消してくれるのが、バンベースのキャブコン。ハイエースなどのボディをカットして広いキャビンをつけたタイプで、車内を立って移動できる広いスペースがあるのに、トラックベースのキャブコンに比べると運転が楽なので、旅が格段に楽になります。車内で立って着替えられる快適性を一度でも味わったら、もう普通のバンコンには戻れませんよ!
2023年7月1日(土)、2日(日)の2日間、東京ビッグサイトで開催された東京キャンピングカーショーで見つけた、車内で立てるバンを5モデル紹介します!
1. ファンルーチェ「ウラル」(1161万6000円)
バンベースキャブコンのオーソドックスなスタイルがコレ。ボディ後方をカットしてキャビンを設置。外観をツートーンカラーにすることで、今どきのユルいキャンプスタイルのイメージを演出しています。
セカンドシートとサードシートの間にはテーブルを設置し、広いダイネットスペースに。トラックベースのキャブコンだと運転席の上はバンクベッドになっていることが多いのですが、このモデルは広めの収納になっています。スライドドアを閉めればサイドテーブルも展開でき、キッチンを広く使えます。
ベッドは車体後方の常設ダブルベッドとシートをベッド展開するダイネットベッドの2カ所。大人2名、子供2名が寝られるスペースが用意されているので、家族旅にも最適です。
常設ベッドの下は広いラゲッジスペースになっているので、遊び道具をたっぷり持って旅に出ることもできます。
>> ファンルーチェ
2. ファーストカスタム「ASTRARE CC1」(1403万2000円)
日産 キャラバンでラグジュアリーなキャブコンを作り上げたファーストカスタム。リアの常設ベッドをダブルベッドではなく2段ベッドにすることで、キャビンスペースを広く使えるようにしているのが特徴です。2段ベッドにはそれぞれ読書灯を設置。旅の最中でもプライベートな時間が欲しいという人にとって嬉しい心配りです。
リビングスペースに設置されたテーブルはワンタッチ昇降機能付き。もちろんダイネットスペースもベッド展開が可能で、テーブルのワンタッチ昇降機能によりいちいち脚を外したりしなくても簡単にベッド展開できるようになっています。
キッチンも必要十分なスペースを確保。キッチン横には大きな収納が設けられています。カーゴスペースは、外からはもちろん室内からもアクセス可能。カーゴスペースのドアはスイングアップ式なので、狭い場所でも楽に荷物の出し入れができます。しかもこのドアにはオートクロージャー機能がついています。
>> ファーストカスタム
3. M・Y・Sミスティック「レジストロ:アウル」(856万9420円)
ハイエースベースのキャブコンはワイドボディを使っています。運転席から後ろのスペースは元の車幅より広くなるものが多いため(だいたい2100mm程度)、運転が大変と感じる人もいると思います。そんな人に注目してほしいのが、トヨタ タウンエースをベース車両にしたモデルです。
このモデルの全幅は1910mm。ベース車より約200mm拡大されていますが、LサイズのSUVと同程度なのでそこまで心配しなくても大丈夫。
スペースが広げられた分、室内空間は余裕たっぷり! 運転席の上にはバンクベッドを設置。ここは子どもの秘密基地になるはずです。ダイネットもベッド展開すれば、最大5人まで就寝できます。入り口に下駄箱が設置されるのも、このタイプの便利な部分です。
展示車両はフルオプションのため850万円以上の価格になっていますが、スタート価格はリチウムイオンバッテリー搭載で620万2000円。49Lの冷蔵庫、シンク、6箇所の証明、キャビネット、2重窓などは標準装備されています。
>> M・Y・Sミスティック
4. ケイワークス「ラギッドバン タイプ1」(670万5000円)
バンベースとはいえ、キャブコンだと普段使いがしづらくて困る…。そんな人に注目してほしいのが、ポップアップルーフを架装したバンコンです。中でもルーフが水平に持ち上がるエレベーティングルーフは、停車時に天井を高くしたいという人にピッタリの仕様です。
ラギッドバンはナローボディのハイエースを使っているため、都市部の移動も楽。1台で普段使いから旅グルマまで、マルチに使えます。
インテリアは前向き2列シートと横掛けシートを組み合わせたタイプ1と、前向き3列シートのタイプ2というふたつのレイアウトを用意。タイプ1は横掛けシートの前に長さのあるテーブルが備わります。
ハイエースはトップグレードのスーパーGLが人気ですが、ラギッドバンはベーシックなDXをベース車両にすることでコストを抑えています。でも内装はしっかり架装されていて高級感を味わえます。ステップとラゲッジ部分には縞板を貼り、ラフに使えるようにしているのも魅力です。
>> ケイワークス
5. THE THIRD SPACE「ブレス 54SL」(1439万4600円)
ラグジュアリーモデルで俄然注目度が高まっているのが、フィアット デュカトベースのバンコン。昨年から国内でのデリバリーがスタートし、日本のビルダーが手掛けたモデルが登場していることが大きな理由です。デュカトは標準ルーフでも室内高が1970mmあるので、もちろん室内で立ち上がることもできます。
もうひとつの魅力が観音開きのバックドア。ヨーロッパのバンは狭い場所でも楽に開閉できるよう観音開きになっているものが多いのですが、室内から外を見た時に視界を遮るものがないため、絶景を存分に楽しめます。このデュカトはリアに常設ベッドを備えているので、寝転がりながら雄大な景色を堪能できますね。
広いスペースを活かし、ダイネットもゆったりとした設計に。セカンドシートは常設ベッドの下にスライド格納して、キッチンを広く使うことも可能。室内上部に収納をたくさん設置しているのも、室内高があるモデルならではです。
>> デルタリンク
<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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