6月のサービス業PMIは目安の50を6カ月連続で上回ったが、2023年に入って2番目に低い値だった（図表作成：財新）

ゼロコロナ政策緩和後の好景気に浴してきた中国のサービス業に、変調の兆しが見え始めた。

7月5日に発表された2023年6月の財新中国サービス業経営活動指数（サービス業PMI）は53.9と、前月（57.1）より3.2ポイント低下。好不況の目安である50を6カ月連続で上回ったものの、2023年に入って2番目に低い値を記録した。

また、2日前の7月3日に発表された6月の財新中国製造業PMIは50.5と、前月（50.9）より0.4ポイント低下した。製造業とサービス業のPMIがそろって下降したことは、中国企業の業容拡大のペースが全体的に鈍化してきた可能性を示唆する。

サービス業の6月の事業活動は、供給側と需要側の双方で拡大基調を維持した。生産指数と新規受注指数は、いずれも拡大基調が6カ月連続となったが、数値としては2023年に入って2番目に低い水準だった。

楽観度の指数は5カ月ぶり改善

好景気が続くなか、企業はサービス提供能力を高めるために雇用を増やしている。サービス業の6月の雇用指数は5カ月連続で拡大基調を維持した。ただし、指数上昇の度合いは前月より縮小した。

人件費や原材料価格の値上がりを背景に、サービス企業は経営コストの上昇を受け入れざるを得ない状況にある。少なからぬ企業がサービス価格の引き上げに踏み切っているが、市場競争が激しさを増すなか、値上げ幅には限界があるのが実態だ。


本記事は「財新」の提供記事です

一方で明るい材料と言えるのが、サービス業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数が、前月までの4カ月連続の低下から6月は上昇に転じたことだ。経営者の多くは、中国経済が年後半から2024年に向けて回復し、売り上げおよび業容の拡大を支えることを期待している。

（財新記者：夏怡寧）
※原文の配信は7月5日

（財新 Biz＆Tech）