7月の日経平均株価はどうなるのか。写真は7月3日(撮影:尾形文繁)

2023年6月の日経平均株価は前月の勢いを維持して上昇した。アメリカの著名投資会社の売買動向を受けて、総合商社株がそろって値上がり。トヨタ自動車やパナソニック ホールディングスなどの大型株も20%以上上げて、日経平均はバブル崩壊後の最高値を連日更新した。月末は前月末比2301円高の3万3189円で取引を終えた。月間上昇率は7.4%だった。

ここでは個別企業に焦点を当てて、その騰落状況を振り返ろう。日経平均構成銘柄を対象に、2023年6月の株価上昇率の上位10社と下位10社を一覧にまとめた(7月4日時点。2023年5月31日と2023年6月30日の終値を比較して騰落率を算出。分割・併合を実施した銘柄は株価を遡及調整)。

上昇率のトップは25.4%

日本政府は「水素基本戦略」を6年ぶりに改定した。現在の水素導入量(国内の水素製造量と国外からの水素の購入量を合算した量)は年間約200万トンだ。これを2030年に年間最大300万トン、2050年に2000万トンにする目標を掲げていたが、今回の改定では2040年に年間1200万トンとする新たな中間目標を設定した。水素の安定的なサプライチェーンの整備に向けて、官民で取り組みを加速させる。

上昇率が25.4%で1位の川崎重工業は、液化水素運搬船を開発・製造することから資金が集まったもようだ。水素を−253℃で冷却して、気体の800分の1の体積量に液化させたのが液化水素だ。運搬船では保冷した液化水素の長期時間運搬を実現した。現在は液化水素の運搬を実証するためのプロトタイプ運搬船として建造されており、商用化を目指して開発が進む。

「買い増し」の方針を有言実行

2位は三菱商事、4位に三井物産、5位に丸紅、8位に伊藤忠商事と総合商社が4社ランクインした。

ランキングからは漏れたが、住友商事も15.3%の上昇率だった。アメリカの著名投資家のウォーレン・バフェット氏が関連する投資会社が日本の総合商社株式を買い増していたことが明らかになり、好感されたようだ。



有価証券の大量保有報告書によれば、バフェット氏が関連する投資会社は、保有割合で1.4%相当分の三井物産株式を買い増し、保有割合で8.0%の大株主になった。丸紅は1.5%相当を買い増し保有率は8.3%に、三菱商事は1.7%相当を買い増し保有率は8.3%にまで上がった。バフェット氏は日本の総合商社株を買い増す方針をかねて明らかにしており、有言実行した格好だ。

(会社四季報オンライン編集部)