選んだのが白で助かった。壁紙のひび割れで、点検時にハウスメーカーから言われたこと
ハウスメーカーで建てた家の壁紙に、すき間やひび割れが大量発生。一体、わが家になにが起こってる? この問題をメーカーの保証によって解決した日刊住まいライター。この体験のなかで「わが家は、白い壁紙にしておいてよかった」と実感することになりました。補修がしやすい白い壁紙のメリットについて語ります。
わが家の壁紙に異変!?一体、なにが起きている?
わが家は筆者、夫、息子2人(8歳と6歳)の4人暮らし。夫の実家の近くに、ハウスメーカーに依頼して2階建ての注文住宅を建てました。
1階には玄関、LDKとスタディースペース、トイレ、趣味室が。2階には浴室、トイレ、ランドリールーム、主寝室、ウォークインクローゼット、子ども部屋があります。今年で引っ越して3年目を迎えました。
少し前に、ハウスメーカーの2年目点検がありました。構造や設備などは問題なし。しかし、貼った壁紙が縮んですき間ができる「チリ切れ」という現象がたくさん起きていました。
こちらは玄関の壁のチリ切れ。天井とのつなぎ目にできています。
家全体では、30か所以上あり、すべての部屋と廊下にある状態でした。とくに、2階の子ども部屋と寝室には、かなりの数が。
こちらは寝室の天井。ひび割れのようなこちらも、チリ切れだそう。壁紙のつなぎ目でもない場所。一瞬、壁に亀裂ができたのかと筆者は焦りました。
造作家具と壁紙が交差する部分にも発生しています。ちなみにここは、キッチンの天板と壁との境。どんどんすき間が増えているような状態に。
チリ切れの原因は?基本的にはどの家にも起こる
そもそもチリ切れは、なぜ起きるのか。点検に訪れたメーカー担当者によれば、「温度差による木材の収縮、生活による振動」が原因とのこと。とくに、築年数が浅いとたくさん起こるそう。
ハウスメーカーの1年点検の時点でも、それなりの数がありました。しかし、「まだ増えると思うから様子を見よう」と担当者。
室内に見られるチリ切れは、構造上の躯体にヒビが入っているわけでなく、下地が環境によって収縮して、結果、表面の壁紙にさまざまな現象が生まれたとのこと。基本的に安全面では問題なく、見た目の問題なのだそう。
ちなみに、外壁にヒビ割れがある場合は、水漏れや空気漏れの恐れがあるので、すぐ対応した方がよいそうです!
チリ切れはメーカーの保証対象。点検時で修理することに
ハウスメーカーの壁紙保証期間は2年。ということで、最近あった2年目点検時に、チリ切れを直してもらいました。コーキングという手法を使うことに。
ペースト状になっているコーキング剤をすき間に埋めて、ヘラや指でなぞります。すると、すき間にコーキング剤が埋まります。すき間がふさがったら、濡れた布ですっとふく。あとはしっかり乾燥。数時間で乾き、1日たてばしっかり固まります。
施工した業者によれば「すき間の周りをマスキングテープで囲って、コーキング剤を埋め、乾いてからテープをはがせば、DIY初心者でも簡単にきれいにできる」とのこと。
こちらが先ほどの玄関のチリ切れの、アフター写真。きれいに直ってよかった! 派遣された方は、ずっと上を向いての作業だったので、腕と首がさぞつらかったでしょう。
わが家の場合、チリ切れがあった場所は、天井とのすき間、部屋の角に集中していました。次に多かったのが、ドア枠や造作家具とのつなぎ目。
遠目には目立ちません。でも、キッチンを使うときや、ドアの開閉で、そこへ近づくと、やっぱり穴が気になっていました。とくに、キッチンの天板のチリ切れは、汚れが入り込まないかと心配もしていました。
長男は2段ベッドの上で寝ています。天井が近かったので、毎日天井のチリ切れが気になっていたよう。
とくにここはひどくて、ぐるりと全部チリ切れができていた場所。修繕後、「家が壊れてなくてよかった!」と喜んでいました(笑)。
白色の壁紙なら、自分でもメンテナンスしやすい
筆者は色つきの壁紙に憧れていました。白だとありきたりだから、グレーとかベージュなんかいいかも、と。しかしこの家では、結果的には白色を選びました。
理由は、「白色だと家全体が明るくなる」と設計士さんに強くすすめられたから。彩度によって印象の違いはありますが、ほかの色に比べ、白は家全体が明るい印象になります。
おまけに、今回こうやってメンテナンスしてもらって、白色にしておいてよかった、と改めて実感。白色だと補修がしやすいというメリットもあると気づけたからです。
実際業者も「色のついた壁紙だと、それにあったコーキング剤を持ち合わせていないこともある」と言っていました。
今回のような室内の壁紙(天井とのつなぎ目や、建具と壁のつなぎ目など)であれば、ずっと直す様子をみていましたが、全然自分でもできそうだと感じました。そうすれば、点検のときまで待たなくてもいい。キッチンも今回チリ切れが多かったので、汚れる前に自分で直せたら安心です。
しかも、押しピンの穴やちょっとしたキズなどもコーキングで修復できます(子ども部屋に結構な数があるのです!)。壁紙が白だと修復してもかなり目立ちません。白色のコーキング剤は、そもそも入手しやすいのも強みです。
もし、色がついた壁紙がベースになっていると、コーキング材も色がついたものを探さないといけません。微妙な色味の違いがあれば、補修しても目立つ可能性も。
壁紙を選ぶ際、たくさん種類があったことを思い出し…。もし、変わった色の壁紙を採用していたら、色のあうコーキング剤を見つけるのが大変なところでした。
じつはわが家の寝室には、一部グリーンの壁紙を使っています。天井やほかの壁との境は白いコーキング剤で目立たず修復できますが、もしもこの緑の面に、チリ切れが生じたら、ちょっと大変かも!?
ということで、今回のチリ切れを体験して、壁紙の色は「普通の白」をメイン使いにしておいて正解だったと感じました。チリ切れはこれで終わるわけでなく、暮らしていると高い確率でまた起こるそう。実際筆者は、築40年を超える実家でも見かけます。
このように、白色の壁紙はとても扱いやすいもの。たしかに汚れは目立ちますが、自分でメンテナンスしやすいのは魅力です。それに子どもたちがキズをつけても、「自分で直せる」なら、ちょっとだけおおらかに、受け止められる気がします。