いま、再び活気づいている飲食シーンには、続々と新星が誕生。

広尾の鯛茶漬けや、表参道のおしゃれな町中華など、心惹かれる新店がずらり!

目まぐるしく移ろう、最先端の店5軒をご紹介しよう。


1.今年、俄然注目のイタリアン。パスタ好き喝采の気鋭店は見逃せない@新富町
『PRIMO PASSO』



2023/5/1 OPEN



「冷製雲丹のカッペリーニ」。カッペリーニは冷水ではなく、氷で冷やした昆布と蛤の出汁で和えながら冷やす。ここでパスタ自体にも下味をきっちり付けることが美味の秘訣


まず最初に現れたのは見た目も涼やかな冷製雲丹のカッペリーニ。

中盤にはシンプルなトマトソースのパスタが登場し、詰め物入りショートパスタのトルテッロが後に続く。




三重県「ポモナファーム」の黄色いトマトと通常の赤いトマトの2種で作るトマトソースのパスタは甘酸のバランスの取れた逸品。作りたてを提供する。



「空豆とグリンピースのトルテッロ」。ペースト状にした牛すね肉を詰めている


そして、最後はミルクの泡に埋もれた手打ちのタリオリーニが意表をつく。



カプチーノ風に演出した〆のパスタは、全卵で作る手打ち麺のタリオリーニ。好みの量をオーダーできるのも嬉しい。アサリと昆布だしのスープ仕立てに。ミルクの泡の下にはドライトマトやカラスミが


パスタ三昧のおまかせコース(16,500円/サ別)で、今、食通達の舌を捉えているのがここ『PRIMO PASSO』。

新富町のビルの谷間にひっそりとオープンした艶やかなリストランテだ。



オープンキッチンのダイニングはどことなく和の趣が漂う。ワインだけでなく新政などの日本酒も交えたアルコールのラインナップも評判だ


「パスタは、その豊富なバラエティと自由度の高さが魅力」と語るのは藤岡智之シェフ。

修業先のナポリでは、ミシュランの星付きレストラン2軒でパスタ場を任された実力の持ち主だ。それゆえ、ここでは旬の食材を取り入れた様々なパスタを提供。

加えてメインには十勝ハーブ牛のステーキを用意するなど料理の緩急の付け方もさすが。

日本の食材を使いつつ、独自の解釈を加えた日本のイタリアンを目指す藤岡シェフ。日本酒も含む豊富なお酒と楽しみたい。


「ベルケル社」でスライスした生ハムも絶品


切り立ての生ハムを載せているのは、リコッタとスカモルツァ、パルミジャーノを詰めた揚げパン。

コースの先付けとして登場する。




ゲストの目の前で生ハムをスライスする藤岡シェフ、30歳。


■店舗概要
店名:PRIMO PASSO
住所:中央区築地1-5-11 ACN築地ビル B1F
TEL:03-6826-9672
営業時間:[一部]17:00〜
     [二部]20:30〜
定休日:水曜
席数:カウンター8席、個室1(6席)



2.27時までのダイニングが、艶やかな西麻布の夜が復権する@西麻布
『Brasserie/The Wave』



2023/3/18 OPEN



西麻布交差点のほど近く。外苑西通り沿いに掲げられたブロードウェイのネオンサインのようなインパクトある看板が目印だ


西麻布交差点のほど近くに建つ、コンクリート打ちっぱなしの建物。

約30年前、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏が手掛けた先進的なデザイナーズビルに、新たなレストランが仲間入りした。

この街で長年飲食店を手掛けてきた、知る人ぞ知る“西麻布のオーソリティ”が開いた『Brasserie/The Wave』のメニューには、エスカルゴ、ポルトガル風の煮込み料理やギリシャ風ムサカなど、ワインが進む料理名がずらり。




「韓国鍋で作るブイヤベース」5,280円(2名分〜)には、オマールエビ、蛤、ムール貝etc.、新鮮な魚介がふんだんに使われている。




パセリとにんにく香るブルギニオンバターがたまらない「エスカルゴとツブ貝のブルギニョン」1,320円。

バゲットを浸して存分に味わいたい。



「黒毛和牛のリー・ド・ブッフのコンフィ マスタードソース」(2,750円)は、胸腺肉(シビレ)を大胆に使った一品


しかも、腕を振るうのは名だたるレストランで活躍したベランシェフだけに、その味わいは盤石だ。

それでいてインテリアはインダストリアル、という“ハズし”も興味をそそる。




ダイニングは、2フロア分が吹き抜けになっている。

壁にはネオン管が光り、上階にはDJブースが。パーティにも最適だ。



ダイニングの一角にはバーカウンターが設えられていて、お酒と軽い1品を、というバー利用も可能。さらに上階にはソファ席まで!


店名の「ブラッスリー」とは“洋風居酒屋”の意だが、並の居酒屋とは一線を画す雰囲気、西麻布の深夜が、再び色めきたつ。


■店舗概要
店名:Brasserie/The Wave
住所:港区西麻布3-17-25 KHK西麻布ビル B2F
TEL:03-6447-0475
営業時間:【月〜土】17:30〜(L.O.27:00)
     【日・祝】17:30〜(L.O.22:00)
      ※カフェ営業は8:00〜
定休日:第1日曜
席数:テーブル42席、ソファ6席



3.表参道の裏路地に忽然と現れた、港区仕様の町中華@表参道
『BLUE THE THREE』



2023/3/27 OPEN



1階にはカウンター席と、愛犬も一緒に過ごせて開放感も味わえるテラス席が。落ち着いて過ごしたい日なら2階のテーブル席へ


道玄坂の半地下駐車場の中、という意表を突くロケーションとひと工夫が光るつまみで人気の『渋谷半地下酒場』を手掛けたスタッフによる注目の新店が、南青山三丁目の一角に出現した。

その名も『BLUE THE THREE』。

目指したのは高級過ぎず、さりとてカジュアル過ぎず、味の確かなメニューがそろっていて通いたくなる町の中華。

厨房で手際よく鍋を操るのは、老舗『銀座アスター』を筆頭に中華一筋20年の料理長・冨田新吾さん。

麻婆豆腐、焼き餃子、レバニラ炒めetc.、味の骨格がしっかりした中華の定番からヤムウンセン、トムヤム炒飯といったエスニック系まで、なんでもござれだ。




彩りよく蒸し上がった大きなエビが目を引く「蒸し海老のにんにくソースがけ(2尾)」968円。

にんにくがガッツリと効いたソースはお酒が進む味わい。




自家製の焼豚とレタスがたっぷりと入り、シンプルながら力強い「焼豚レタス炒飯」968円。



グツグツと音を立てて登場する「石焼き麻婆豆腐」(1,188円)は、山椒の程よい痺れ感が心地よい。炒飯にかけて一緒に食べる、という合わせ技もおすすめだ


そして料理のお供には、茶葉にこだわったお茶割りや、時流を捉えてクラフトビールやナチュラルワインもラインナップ。

幅広いニーズに応えてくれる。



福岡「千代乃園」から届く八女茶を使う「ハーブ玄米茶割」や、狭山「増田園」の茶葉で作る「和紅茶割」「濃い緑茶割」(各715円)など、厳選した茶葉を使った茶割は全5種類


表参道至近という好立地でありながら、フレンドリーな価格なのも、また貴重。

ひとりでふらりでも、みんなでワイワイにも使える1軒だ。


■店舗概要
店名:BLUE THE THREE
住所:港区南青山3-10-40
TEL:03-6434-9164
営業時間:ランチ 11:30〜15:00
     ディナー 17:00〜(フード L.O.22:30)
     ※土・祝は通し営業
定休日:日曜
席数:テーブル34席、カウンター8席、テラス8席



4.とあるスーパーマーケットの片隅に、和食のレジェンドが手掛ける隠れ家が誕生@千葉・松戸
『懐食みちば』



2023/2/23 OPEN



厨房の傍らには、店のオープンに際して道場氏がしたためた書が飾られている。モットーとして知られている「料理は想いやり」の一文が


道場六三郎氏といえば“和の鉄人”として余りにも有名な日本料理の匠。

92歳の現在も、『銀座ろくさん亭』を率いて、YouTubeでは家庭料理のコツを発信するなど精力的に活動している。

そんな道場氏が監修する『懐食みちば』が千葉・松戸にオープンした。



道場氏のもとで研鑽を積み足掛け20年、という一ノ谷料理長。“道場イズム”を正しく継承している


店があるのはスーパーマーケット“ロピア”の一角。

実はここは、これまでにも予約困難な肉割烹などがあった知る人ぞ知る美食スポット。

銀座に行かずして道場氏直伝の味を、しかもお値打ち価格でいただけるとあって、地元住民のみならず、耳ざとい人々の間でも早くも話題を集めている。


道場氏が描く和の世界を、1万円で味わえる衝撃たるや


コースの幕開けは、この「前菜五種盛り」から。

この日は、新もづく茶碗蒸し、鮑柔らか煮、白和え最中、蛍烏賊酢味噌、そしてクリームチーズを白味噌と酒粕を合わせた床に漬け込んだ道場氏の名作「黄金チーズ」が。




クリアな味わいの出汁を存分に味わえる「椀」。

この日の椀種は九十九里産の蛤しんじょう。わらびとどんこ椎茸を添えて。



おまかせコース(10,890円)の締めくくりである「御食事」は3種類から選べるが、特に人気なのが「糠鯖茶漬」。糠床に3年漬けて発酵させた鯖=へしこをご飯の上に盛り、自慢の出汁をかければ深い旨みが広がる


“本丸”である『銀座ろくさん亭』での料理長経験もある一ノ谷浩司氏が陣頭指揮を執るコースには窯焼き料理などの新機軸も盛り込まれ、道場氏のバイタリティに溢れている。


5月末にはお向かいに焼肉店もオープン


大御所でありながら、ジャンルに囚われない自由な感性を持つ道場氏。

5月29日に開店した『肉匠みちば』では、出汁を揉み込んだ肉を特製のつけダレで食する焼肉を提案。


■店舗概要
店名:懐食みちば
住所:千葉県松戸市松戸1307-1 KITE MITE MATSUDO B1F
TEL:047-365-9522
営業時間:ランチ 12:00〜(L.O.13:30)
     ディナー [一部]17:00〜
          [二部]19:30〜
定休日:月曜
席数:カウンター12席、テーブル8席 ※要予約



5.“大人のフードコート”に、三刀流のお茶漬け店が登場@広尾
『鯛茶TOKYO』



2023/3/31 OPEN



ポップなロゴは、フーディーとしても知られるアートディレクター・秋山具義氏が手掛けた


鯛茶漬けといえば、高級な日本料理店のコースの締めくくり、あるいはランチタイム限定の人気メニューというイメージが強い。

そんな中、手軽にサクッと本格的な鯛茶漬けを味わえる専門店が、個性あるレストランが軒を連ねる、広尾「EAT PLAY WORKS」に仲間入りした。

脂が乗り、身の引き締まった愛媛の鯛に、香り豊かなごまだれをたっぷりと絡めてご飯の上へ。海苔とわさびをあしらったら香ばしい風味のほうじ茶をかけていただく寸法だ。

加えてユニークなのが、白飯のほか玄米も選べること。ヘルシー志向の人にも、朗報だろう。




濃厚なごまだれを絡めた鯛をご飯にのせ、熱々のほうじ茶をかけていただく鯛茶漬け。


まずは王道の定食スタイルで

昼の「鯛茶漬け御膳」(1,650円)には日替わりの小鉢と香の物、わらび餅が付く。ディナータイムは鯛茶漬けと香の物のセットで1,320円


デザートには専門店に迫るクオリティのかき氷を、さらにはディナータイムになればポテトサラダや唐揚げといったお酒が進むおつまみがそろい、種類豊富なアルコールやカリフォルニアワインに特化したインポーター「中川ワイン」が選んだワインもスタンバイ。




「お番茶のかき氷 はちみつレモン添え」(900円)には、溶けにくい「純氷」を使用。



夜は「おばんざい三種盛り」(360円)や人気の「れんこんチーズ炒め」(420円)など、お酒のアテも充実。ワインはナパ・ヴァレーの有名ワイナリー「ダックホーン」1,650円(グラス)


鯛茶漬けを軸にさまざまな楽しみ方ができるから、気軽に立ち寄りたい。


■店舗概要
店名:鯛茶TOKYO
住所:渋谷区広尾5-4-16 EAT PLAY WORKS 1F
TEL:03-6450-2556
営業時間:ランチ 11:30〜15:00
     ディナー 17:00〜23:00
定休日:月曜
席数:テーブル8席


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