宝塚記念に出走予定のイクイノックス(撮影:高橋正和)

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 今週の日曜日は、阪神競馬場では宝塚記念(GI)が行われます。

 今年も早いもので今週は上半期ラストの競馬となります。ここまで平地のGIは11レースが開催されて、2番人気以内の馬が6勝2着4回3着3回。複勝率59.1%、複勝回収率90%と良績を残しています。

 一方、7番人気以下の穴馬は2勝2着1回3着3回。複勝率4.8%、複勝回収率31%と結果を残せていません。不良馬場で行われた高松宮記念(GI)は1着馬と3着馬が二桁人気、稍重で行われたNHKマイルC(GI)は7番人気以下の馬でワンツー決着と道悪の影響が大きかったと言えるレースでは人気薄も台頭していますが、それ以外のGIレースはほぼほぼ平穏な決着となっています。

 梅雨時で道悪になる事も珍しくない宝塚記念ですが、土日の予報を見る限りでは雨の心配はなく今年は良馬場に期待が出来そうです。そんな春のグランプリ宝塚記念に今年は17頭が出走を予定しています。

 上位人気が予想されるのは前走のドバイシーマクラシック(G1)を圧巻のパフォーマンスで優勝したイクイノックスや前走の天皇賞(春)(GI)で優勝し勢いに乗るジャスティンパレス、今回と同じ舞台で行われた昨年のエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬ジェラルディーナ、悲願のGIタイトル獲得に燃えるディープボンド、昨年の菊花賞(GI)を制したアスクビクターモアなどがいます。

 ほかにもダノンザキッドやヴェラアズール、ドゥラエレーデなどのGI勝ち馬や過去の宝塚記念で人気薄ながら上位に入線したユニコーンライオンやモズベッロも出走を予定しています。

 上半期最後のGIに相応しい豪華メンバーで行われる一戦で、はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。

◆世界ナンバーワンホースにAIも脱帽

 今週の宝塚記念でAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるイクイノックスでした。

 週初の本命候補3頭には挙がっていなかった本馬ですが、その予想が一転しイクイノックスに高評価が与えられました。

 イクイノックスはこれまで7戦5勝2着2回。21年8月の新馬戦でデビュー。このレースには後に阪神JF(GI)を制する事となるサークルオブライフも出走していましたが、イクイノックスは2着に6馬身差をつけて圧勝し素質の高さを見せつけます。続く東京スポーツ杯2歳S(GII)では上がり32秒9と凄まじい末脚で重賞を初制覇し2歳シーズンを終えます。

 翌年は皐月賞(GI)から始動し2着と好走し続く日本ダービー(GI)でも2着。勝ち切る事は出来ませんでしたが、皐月賞は中山芝2000m、日本ダービーは東京芝2400mと求められる適性が異なる条件でも連対を外していないのが本馬の総合力の高さを示していると言えるでしょう。

 秋は天皇賞(秋)(GI)へ出走。大逃げを打ったパンサラッサが2着に粘る展開でしたが、中団から上がり32秒7の末脚を駆使しGI初制覇を成し遂げます。続く有馬記念(GI)では勝負所から楽な手応えで前へと進出。直線であっさりと先頭に立つと後続とのリードを広げてGI連勝を達成。

 前走のドバイシーマクラシックでは、積極的にハナへ行く馬がいない事もあり逃げる競馬を選択。終始マイペースで運び勝負所の手応えも十分。直線では鞍上が軽く仕掛けると後続とのリードをあっという間に広げ、2着に3馬身半差をつけて海外GI初制覇という偉業を成し遂げます。このパフォーマンスが評価されて国際競馬統括機関連盟が発表するレーティングで世界1位を獲得しています。

 今回は海外遠征からの帰国初戦となりますので状態面が気になるところです。この中間は美浦の坂路コースが改修工事で閉鎖されているため、栗東に滞在して調整されています。栗東のウッドコースで行われた最終追い切りでは3頭併せの真ん中に入り、直線では体全体を使った伸びやかなフォームで楽々と先着し仕上がりの良さを感じさせます。

 世界ナンバーワンホースが絶好の状態で出走となれば、さすがのAIも脱帽。ここは前走に続き驚愕のパフォーマンスを見せてくれる事に期待したいところです。