13日に行われた欧州CLグループリーグ「H」組、ACミラン対AEKアテネの一戦は3−0でACミランが圧勝、重要な初戦を白星で飾った。MFグルカフの華麗な欧州CLデビュー戦だった。トリプルボランチ左で先発出場を果たしたグルカフは1−0で迎えた前半41分、長身を活かした豪快ヘッドで貴重な追加点を挙げ勝利に貢献した。

今夏移籍市場でランヌから獲得した20歳の若者に現地メディアは“ジダン後継者”として一斉に報道。大きく報道する裏にはシェフチェンコ放出後、移籍市場終盤までグルカフ獲得以外に目立った動きのなかったACミランに対する不安もあった。

フル出場を果たしたグルカフはゴールに加え何度も決定機を演出、その都度サン・シーロ・スタジアムは拍手と歓声で沸いた。翌14日、主要現地紙の一面を総ナメしたグルカフは「欧州CLデビューを先発、そしてゴールで飾れてよかった。まだ90分走りきるコンディションではないが、カカやガットゥーゾに満足のいくパスを供給出来た」と満面の笑みでデビュー戦を振り返った。

世界を代表する名門ACミランからの信頼も獲得した。先制点を決めたベテランFWインザーギ(33)は「グルカフ?与えられたチャンスを最大限に活かした。20歳でサン・シーロでの『洗礼の儀式』を済ませたんだから大したもんだよ」と脱帽、采配が的中したアンチェロッティ監督は「なんて奴だ。デビュー戦を見事に飾ったよ」と合格点を軽く突破したグルカフを絶賛した。

試合前日に「セリエA開幕の遅れが欧州CLでも影響する(アンチェロッティ監督)」とのイタリア勢躍進を危惧する声を、豪快な一発で吹き飛ばしたグルカフ。大物の片鱗を見せた“ジダン後継者”、欧州CL挑戦は始まったばかりだ。