いま、次世代チャイニーズの旗手として先頭を行く『の弥七』。四谷三丁目を代表する人気店だ。

いくつもの味を重ねて旨みを膨らませる中国料理に、素材そのものの良さを引き出す和食のエッセンスを組み入れて作る“新中華”が愉しめる人気店だ。

中華と和食の“調和の頂”と言える、同店の新定番メニューとは?


和食の美学と中華の技術が融合した、唯一無二の存在


店名を揮毫した重厚な看板と、格子戸が目を引く玄関も中国料理店とは思えない和の趣。

新宿通りから車力門通りを入ってすぐのところに『の弥七』はある。




店主・山本眞也さんは上海でも修業した本格派だが、あるときから「食後感は軽い中華」を志すようになったのだとか。

自身の店では状態を見極めて仕入れる食材、こだわって集めた器、臨場感を重視したカウンターなど、さまざまな観点から和食のいいところを取り入れた、独自のスタイルを追求している。




山本さんは高知の実家も中国料理店。上海から帰国後は『御田町 桃の木』で修業。2014年「数寄屋造りが似合う」荒木町で独立した。

それゆえ白木を多用した店内も和の趣。割烹のようなカウンターでライブ感も素晴らしい。

料理はおまかせ(16,000円)〜より。


中華と和食の可能性にかけた料理人が到達した“調和の頂”が、一皿に結実


みずみずしい初鰹の食感に絡む、黒酢ベースのコクあるタレがさわやかな赤身の旨さを引き立てる。

香味野菜の清涼感に続いて立ち上る山椒と胡麻、そして、酢橘の香り。すべてが消え去った後で、ふいに、鼻から軽やかに辛みが抜けていく。

いかに和食を中国料理に取り込むか。それが『の弥七』の取り組んできたこと。挑戦は例えばスープベースに昆布を使うなど、本質的なところで続いてきた。

開店9年を経た今、たどり着いたひとつの頂点がこの「よだれ鰹」。日本人なら誰もが愛する刺身を、中華の料理人としてどう表現すべきか。その発想に、店主の出身地・高知が結びついた。

「好評で今は通年提供しています」

支持したのは粋な荒木町の常連たち。本物を知る彼らが育んだ新定番だ。


■店舗概要
店名:の弥七
住所:新宿区荒木町2-9 MIT四谷三丁目ビル 1F
TEL:03-3226-7055
営業時間:17:30〜(L.O.21:30)
定休日:日曜
席数:カウンター8席、個室2(8席、4席)


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