緑が豊かな街で家を建てるのは、理想のように思えます。しかしそこには、落とし穴も。2年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、家づくりの際には思ってもいなかった事実に直面することに。落ち葉掃除の苦労の様子と、土地探しを振り返って気づいたことを語ります。

紅葉の時期、家を出てびっくり!

家を建てて初めて迎える紅葉シーズンのこと。家から外に出て、筆者はびっくりしました。家の犬走り(家の周りを取り囲むように設けられた細長い通路)に、大量の落ち葉がびっしり。

わが家の植栽は、この犬走りとは反対の方角にあります。だから、植栽からの落ち葉とは考えられません。

筆者が家づくりに選んだのは、街路樹がたくさん植えられている緑豊かな土地。そして比較的風が強い地域です。どうやら、地面に落ちた街路樹の落ち葉が、風に吹かれて、わが家の犬走りに大量に着地したようでした。

土地探しをしていたときには、この緑豊かな景観の土地を実際に目にして、メリットを感じていました。しかし、そのときは紅葉の時期ではなかったため、このような大量の落ち葉を見ることはありません。

結果、土地探しの再検討や、落ち葉対策をすることなく、家づくりを始めてしまうことに。

 

落ち葉を放置しておくと害虫のエサや寝床に

落ち葉くらい、放っておけばいいじゃない。そう考える方もいるかもしれません。しかし、落ち葉の放置は厳禁なのです。放置しておくと、たくさんの虫がわいてしまうから。

じつは筆者も、当初は軽く考えていました。しかし放置した結果、たくさんの虫に遭遇して怖い思いを散々することに。それからは、定期的に掃除するようにしています。

この落ち葉掃除、筆者は非常に苦労しています。その理由を説明していきましょう。

 

●落ち葉はそもそも掃除がしにくい

落ち葉拾いというと、その季節ならではのイベントのように感じます。しかし現実は、かなり大変。なぜかというと、落ち葉はとっても軽いから。

わが家があるのは、比較的風が強い地域。落ち葉の掃除をしているそばから、次から次へと、落ち葉が飛来してくるのです。集めてビニール袋に入れようにも、ストンと袋の中に落ちてくれず、なかなかストレスです。

わが家の犬走りのような砂利の上だと、集めている際に細かい砂利も拾ってしまいます。非常に、掃除がしにくい…。同様に芝生でも掃除がしにくく感じます。

コンクリート上の落ち葉は、比較的掃除がしやすいのですが、落ち葉が都合よくコンクリートの上にたまってくれるわけはありません。

 

●集めた落ち葉は結構かさばる

なんとか集めた落ち葉のゴミ。自治体で収集してくれますが、頻度が多いわけではないので、それまでは家のどこかに保管しておく必要があります。かさばる落ち葉ゴミの置き場所にもまた、悩まされるハメに。

 

●やっても終わりが見えない

そしていちばんつらいのは、落葉シーズンが過ぎ去るまで「掃除しても終わりが見えない」ということ。

落葉まで何か月もかかるわけではありませんし、1日で山盛りにたまるわけでもありません。でも、苦労して掃除したのに、いつの間にかまた落ち葉がたまっている…という状況は、やはり気持ちが落ち込みます。

周囲環境をよく見て、さまざま時間帯で土地の下見を

今まで、マンションなど集合住宅にしか住んだ経験がなかった筆者。「落ち葉ごとき」で大変な思いをするなんて、家づくりの時点ではまったく思ってもいませんでした。

土地探しでは、周辺環境(街路樹があるか、騒がしい施設はあるかなど)を含めて、可能な限りさまざまな季節や時間帯で見ておくと、安心材料になります。季節や時間によっては、周辺の環境がガラリと変わってしまうこともあるのです。

しかし、そうはいっても、どんなに事前に調べて考えたところで、住んでみないとわからないことは絶対にあるもの。緑に癒やされるはずが、落ち葉掃除にひと苦労…。思い描いていた暮らしと現実のギャップはあったものの、筆者はこれを「季節の移ろいを感じるきっかけ」だと思うことに。うまく適応して、暮らしを楽しんでいくつもりです。