伊藤りの被告(Aさん提供)

写真拡大

「事件直後、被告の母親へ連絡すると、母親は“(あの子を)よろしくお願いします”と言うだけで、逮捕された愛娘に会いに来ようとはしなかったみたい。母親が“娘とは親子の縁を切っている”などと言っていたとも聞いています」

【写真】「もはや別人」パパ活で使用していた被告の“盛りすぎ”写真

 被告とは、5月4日、神奈川県平塚市のJR平塚駅で男性Aさん(49)をナイフで刺して、殺人未遂の現行犯で逮捕された“パパ活女子”伊藤りの被告(28)のこと。被告の知人はそう明かしたのだ−−。

 6月2日、『週刊女性PRIME』は、被害者Aさんの独占告白を報じた。Aさんによると、りの被告の思い込みが凶行に走らせたようで、男女複数人がみだらな行為をする乱交パーティーへの参加や“パパ活”という名の売春行為で生計を立てていたことが判明した。絵に描いたような貧困女子だったという被告の謎に包まれた人生をたどった。

 今から12年前、被告の姿は岐阜県岐阜市にあった。一戸建てのマイホームに両親、弟3人、長女・りの被告(当時16歳)の6人暮らし。

「そのころは母娘仲がとてもよくてね。運動会など学校の催しがあると、いつも母親のそばから離れないお嬢さんだった」(近所の住民)

両親の離婚から歯車が狂い始めた

 ところが2年後、両親が離婚してしまう。

「父親が出ていったため、市役所職員の母親は女手ひとつで4人の子どもを育てていました。離婚がショックだったのか、りのちゃんは精神的に不安定になったようです」(同・住民、以下同)

 被告のFacebookのプロフィールには、国立の岐阜大学卒業とあったが、

「? ? ? 聞いたことないね……」

 と首をかしげる。冒頭の知人に確認すると、

「岐阜大学のことは聞いたことない。でもりのは“実家は医者。おばあちゃんは下呂温泉で女将をしている”と自分が良家出身で、金持ちであることをアピールしていましたけどね」

 その場その場で、被告は経歴を偽っていたのかもしれない。岐阜の実家からりの被告の姿が見かけられなくなったのは、ここ1年ほどだという。

不仲の原因は“母の再婚”か

「りのちゃんの母親が“娘と喧嘩して、出ていった”と言っていた。理由? それは聞いてない。厳格な母親だから、もしりのちゃんがパパ活やら水商売やらを始めたら怒るだろうね」

“母娘不仲の原因は他にもあるのでは”と話すのは別の住民だ。

「母親が再婚したのではないかという噂もあった。それで長女のりのちゃんが反発したのかもしれない」(同・別の住民)

 母親と絶縁したりの被告は、1年前に上京。千葉県柏市の築35年、2階建ての1K、家賃月2万7000円のアパートで独り暮らしを始める。だがすぐに生活が困窮したのか、前出にある通り。乱交パーティーへの参加や“パパ活”などの売春行為で生計を立てるように。

 そのうち、新宿周辺のホテルにそのまま泊まったり、ネットカフェで過ごしたりして、柏市のアパートに戻る日はほとんどなくなっていったという。

「家賃を3か月以上滞納して、アパートの管理会社も困っていたようです。それで管理会社が彼女の部屋をそろそろ整理しようとしていた矢先に、あの事件が起きてしまったんだと聞きました」(柏市のアパートの住人)

 被告の別の知人からは、こんな話も。

「彼女は売れないお笑いコンビのBとCの追っかけをやっていた。特にBには入れ込んでいて、男女の関係はなかったものの、闇金から借金をして金を貢いでいた。アパートに帰らなくなったのは、借金取りから逃げるためでもあった」

 被告の実家を訪ねた。夕方、車で帰宅してきた長弟は、

「……ちょっと、……いま、忙しいので」

 と取材拒否。まだ高校生ぐらいの末弟にも話しかけたが、

「ムリです、ムリです」

 と同じ反応。そして、母親は夜まで待っても、帰宅しなかった。

 実家の近隣住民に被告の近影を見せると、こうつぶやいた。

「たった1年でこんなにも変わってしまうものなのか。すっかりふくよかになっちゃって、もう別人ね。上京してどんな生活をしていたのか……」

 事件の背景には被告の不遇な側面もあったのかもしれないが、だからといって犯罪が正当化されはしない。被害者Aさんにきちんと謝罪し、罪を償った上で、真っ当な人生を歩いてほしい。