「1インチセンサー搭載」のスマホカメラを比較! シャオミ、OPPO、vivo、現時点最高クラスの写りを見よ!
2023年のハイエンドスマートフォンのカメラは性能が大きく向上しています。ソニーの「Xperia 1 V」は新型センサーを搭載して暗所撮影性能も高まり、シャープの「AQUOS R8 Pro」は大型センサーを搭載したりフィルター装着できるケースが登場したりと、本格的なカメラにまた一歩近づきました。この動きは海外も同様で、もはやデジタルカメラの使い勝手に近づいたスマートフォンが相次いで発売されています。今回は海外で販売中のカメラ性能に優れたスマートフォン3機種を紹介しましょう。
カメラメーカーとコラボ、大型センサーでコンデジクラスの性能
今回取り上げるのはシャオミ「Xiaomi 13 Ultra」、OPPO「Find X6 Pro」、vivo「X90 Pro+」の3台。中国スマホメーカーは「カメラメーカーコラボ」「大型センサー」「オールメインカメラ」「カメラ風デザイン」という4つの特徴を次々と発売しています。Xiaomi 13 Ultraはライカとコラボ、Find X6 Proはハッセルブラッド、X90 Pro+はカールツァイスレンズ搭載と、各社のハイエンドカメラフォンは日本でも発売してほしいと思えるほど高性能なカメラを搭載しているのです。なお日本ではライカがシャープと、カールツァイスはソニーと提携を行なっています。
3機種ともカメラのセンサーはソニーの「IMX989」を搭載。センサーサイズは1インチと大型で、AQUOS R8 Proと同等です。センサーが大きければ光を取り込める面積も大きく、高精細かつ暗いところでの撮影も得意とします。その反面、最短焦点距離が長くなってしまうという特性を持っていますが、3機種とも超広角カメラや望遠カメラのテレマクロで接近した近距離撮影をカバーしています。
オールメインカメラは、複数搭載するカメラすべてが高画質なことを意味します。一般的なスマートフォンはメインカメラは5000万画素など高画質ですが、超広角や望遠カメラは1300万画素など画質を落しています。これはコストを下げるためでしょう。しかし今回紹介する3機種はいずれも複数のカメラがすべて5000万画素クラス以上。つまりどの画角で撮影しても高画質な写真が撮影できるのです。
そして3機種に共通するのは本体の仕上げがカメラそのものなこと。iPhoneのようにカメラを背面の片側に寄せているのではなく、中央上部に円形のベースを設置して、その上に複数のカメラ・レンズを配置しています。AQUOS R8 Proよりもさらにカメラっぽく見えるデザインというわけです。
背面は本革の質感のようなビーガンレザーを採用し、落ち着いた色合いに仕上げアナログ感のあるカメラ風に仕上げているのです。本体にカバーをつけて使うのがもったいないと思えるような上質な質感で、持っているだけでいい写真が撮れそうな気分にもしてくれるのです。それでは3機種の特徴を見ていきましょう。
絞りの調整も可能、フィルターやグリップ装着可能な「Xiaomi 13 Ultra」
2022年5月にシャオミはライカとのコラボを電撃的に発表しました。シャオミの名前を聞くとコスパに優れた低価格モデルを得意とするメーカーと思うかもしれませんが、折りたたみスマートフォンなど最新技術を搭載したハイエンドモデルも多数出しています。2022年7月に1インチセンサー搭載のライカコラボモデル「Xiaomi 12S Ultra」を発売し、その後継機として登場したのが2023年4月発表のXiaomi 13 Ultraです。
Xiaomi 13 Ultraのカメラは広角が1インチ5000万画素 f/1.9、超広角が5000万画素 f/1.8、3.2倍(75mm)望遠が5000万画素 f/1.8、5倍(120mm)望遠が5000万画素 f/3.0です。4つのカメラすべてが5000万画素で、ポートレート撮影に向いた3.2倍と遠距離用の5倍と、望遠を2つ搭載しているのは贅沢な組み合わせでしょう。他に深度測定用カメラも搭載してます。
ライカとコラボしたカメラはライカモードでの撮影も可能。AI処理による人工的な仕上げを抑え、アナログカメラ時代の淡い色合いの仕上げで撮影できます。またライカフィルターも搭載しており、特にモノクロはフィルムカメラの白黒フィルムを思わせる深みのある色を再現します。ポートレート撮影では自動的に3.2倍に切り替わり、手軽にボケを効かせた人物撮影も可能です。
本体のカラバリはブラック、ホワイト、オリーブグリーンの3色でどちらも革風仕上げ。なかでもオリーブグリーンはよりアナログ感を増しています。さらに別売のカメラキットには専用ケースが含まれ、AQUOS R8 Proのようにカメラ部分にはフィルター(67mm径)を装着できるほか、ワイヤレスシャッターも備わるグリップも取り付けることができます。カメラとして使うことも十分考えられた設計になっているのです。
独自開発のイメージセンサー搭載「OPPO Find X6 Pro」
OPPOのフラッグシップモデルであるFindシリーズの最新機種が2023年3月に発表されたFind X6 Proです。OPPOとハッセルブラッドの関係は、元々は関連メーカーであるOnePlusが2021年3月に同社とカメラの提携を開始し、その後OPPOも上位モデルでのコラボをはじめました。なおハッセルブラッドは2016年にモトローラの合体式スマートフォン「moto Z」シリーズ向けとなるカメラモジュールを提供したことがあります。
Find X6 Proは1インチ5000万画素 f/1.8の広角カメラに加え、5000万画素 f/2.2の超広角、5000万画素 f/2.6の2.8倍望遠という3つのカメラを搭載します。2023年3月の発売直後、スマートフォンのカメラ指標であるDXOMARKで堂々の1位に輝くなど、カメラ性能の高さは業界が認めるところです。
OPPOは自社で各種チップの開発も行なっており、Find X6 Proには「MariSilicon X」を搭載しています。搭載しているクアルコムのチップセットに内蔵されたAI処理などを行うNPU(Neural network Processing Unit)を使わず、MariSilicon Xでさらに高速な処理を実行します。
これにより夜景モードの撮影では、多くのスマートフォンはシャッターを押してから保存まで数秒かかるのに対し、Find X6 Proは昼間の写真撮影同様、一瞬で保存が可能です。また暗い場所での動画撮影でもノイズの低いムービーの撮影が可能で、動画カメラとしての性能も優れています。
Find X6 Proはブラック、グリーン、ブラウンの3色のカラバリがありますが、ブラウンが革風仕上げになっています。背面はレンズ部分の中央を境に上半分がシルバー(ガラスコーティング)、下半分がビーガンレザー。アナログカメラに茶色の革ケースを取り付けたようなデザインは3機種の中で最もクラシカルなイメージです。カメラの円形ベース部分にはまるで交換レンズを取り付けるときの合わせのしるしとなる赤い小さな点が描かれているのも細かい演出です。
SNS映えする夜景が撮れる「vivo X90 Pro+」
vivoは日本にも参入しておらずあまり知られていないメーカーですが、カメラに関しては2020年12月にカールツァイスと提携を発表し、スマートフォンメーカーの中でも早い時期から老舗カメラメーカーのノウハウの採用を始めていました。2021年3月に「X60シリーズ」を発表、それ以降「X70シリーズ」「X80シリーズ」と半年ごとにカールツァイスレンズ搭載モデルを展開し、2022年11月に1インチセンサーを搭載した「X90 Pro」とX90 Pro+を発表しました。なお両者の違いは3カメラと4カメラ、120W充電速度と80W充電速度などで、本体デザインや基本性能はほぼ同等です。
vivo X90 Pro+のカメラは広角1インチ5000万画素 f/1.8、超広角4800万画素 f/2.2、2倍望遠(50mm)5000万画素 f/2.4、3.5倍望遠(90mm)6400万画素 f/3.5。Xiaomi 13 Ultraより望遠倍率は低いものの、50mmレンズを搭載していることでカメラ同様より広い撮影シーンに対応できます。
ツァイスレンズでおなじみの「T*コーティング」により光の反射がレンズに写り込むことを抑えるため、逆光下などでも良好な撮影結果が得られます。さらにはツァイスの「名レンズ」4製品のボケをソフトウェアで再現。レンズ交換するように光学的なボケを切り替えて使用できます。
vivoのカメラ性能はDXOMARKでトップ5位に入っていないものの、夜間の撮影性能に定評があります。AI処理による明るく写る夜景は人によってはやりすぎと思えるほどですが、SNSで映える夜景を撮るならvivoのXシリーズ、という人も多いくらいです。また前モデルまでは超小型ジンバルを内蔵し手振れ補正も物理的に強化していました。X90シリーズではジンバルの代わりに新セパレートコントロール手ブレ防止を搭載、星空の撮影も手持ちで出来るといいます。
カラバリはブラックとレッド。深みのあるレッドは落ち着きある色合いですが大きな存在感を示します。単調になりがちな背面デザインもシルバーのラインでカメラ部分を区切り、そのカメラにはツァイスの青いロゴがワンポイント入っています。一目でvivoのカメラフォンとわかる、そんなデザインを目指しているようです。
今後のスマホカメラの進化を先取り
3つの製品のカメラは現時点ではほぼ最高クラスと呼べるものであり、スマートフォンのカメラの進化もここで一段落ついたと言えるかもしれません。一方他社のスマートフォンの多くは前述したように高画質カメラは広角のみであり、望遠や超広角では暗所撮影性能が落ちるなどカメラ性能に不満を持つ人もいるでしょう。
また年々巨大化するカメラモジュールを背面の片側に寄せたデザインは重量バランスも悪く、ケースをつけてもデザインバランスはあまりいいものでもありません。3社のカメラフォンはこれからのスマートフォンの進化を先取りした製品と言えそうです。
3モデルのうちシャオミの製品はグローバルで販売が予定されています。ただし日本への投入はシャープがライカモデルを出していることもあり、ライセンスの関係から期待はしにくいところです。OPPOとvivoは中国国内のみの販売ですが、海外メディアがレビューを行うなどカメラ性能はグローバルから注目を集めています。OPPOは日本に参入しており、以前はFindシリーズを販売していました。最高のカメラフォンをぜひ日本にも投入してほしいものです。
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