掃除がラクな家を建てるために。「設備&間取り」視点で採用したこと
新居の掃除の手間を減らしたいなら、設備の選び方や間取りに工夫をしてみましょう。実際、ハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターも、これまで住んできた家の欠点を踏まえて家づくりをしたところ、掃除がラクな家を建てることができました。ドア回り、フラットな床、汚れについよい素材…。どんなことに注目したのか詳しく語ります。
上つり戸を採用して、面倒なふき掃除をスキップ
1年ほど前、夫婦で暮らすためにハウスメーカーで平屋を建てた30代の筆者。家事をラクにするために、家づくりではさまざまな工夫を取り入れました。その1つは、洗面所やクローゼットの引き戸を上つり戸にしたことです。
以前住んでいた家は、一般的な引き戸を採用。床には、レールやレールの溝がありました。ここにホコリがたまりストレスに。掃除機では取りきれないこともあって、ふき掃除を強いられ、結構な手間でした。
一方新居のつり戸では、天井にレールがあるため、こうした手間をスキップできます。わが家には、引き戸タイプのドアが5か所。もし普通の引き戸のようにレールがあって、掃除をするとなったら、結構面倒くさいはず。
とくに洋服やタオルがある部屋(洗面所やクローゼット)は、ホコリがたまりやすいものです。この手の部屋に、上つり戸を採用するのは正解でした。
また、上つり戸にすると足元がフラットなので、つまずく心配もなし。バリアフリーにもいいですね。
浴室が開き戸だと、ドア枠回りの掃除がラクに
再びドアの話ですが、わが家は浴室のドアに開き戸を採用しました。
浴室のドアには、「開き戸派」と「引き戸派」がいて、結構意見が分かれています。筆者の個人的な意見としては、掃除のしやすさで考えると、開き戸一択でした。
以前住んでいた家は引き戸。床にあるレール部分に、カビや髪の毛やヌメリがたまってしまい、掃除するのがストレスでした。狭いくぼみに入ってしまった汚れを取るのは、なかなかやっかいです。
一方で、開き戸はというと…。もちろん、ドア枠の下部に汚れはたまりますが、圧倒的に掃除がラク。ドア枠の構造がシンプルなので、スポンジを使って一発で汚れを落とせます。
わが家の場合、お風呂の床掃除のタイミングで、一緒に掃除をすることに。実際、とても時短です。
トイレの中に手洗い器をつけない
わが家では、トイレの中に手洗い器をつけませんでした。手洗い器があると、掃除の手間が発生するうえに設備コストも上がります。
代わりにわが家では、トイレのすぐ隣に洗面所を設置する間取りにして、手洗いはことたりるようにしました。1年半住んで、やっぱり手洗い器はなくても大丈夫だったなと感じています。
これは、あくまで個人的な考えです。トイレから出る前に、手は洗っておきたい…といった、体質や感覚的にムリな人は、手洗い器をつけたほうがいいかもしれませんね。
IHコンロは五徳がないから、メンテナンスがラク
IHコンロは、ガスコンロのように五徳の掃除が不要。基本的に、ふきんでさっとふくだけできれいになるので、とてもよいです!
凹凸がほとんどないので、ワークトップと一緒にふけます。料理中の汚れた手でよく触るスイッチ部分も、コンロと同じ面にあるので、ふき掃除が一気にすみます。
1年半使って今のところは焦げつきなどもなく、見た目もスタイリッシュでスッキリ。
丸見えのキッチンのおかげで、掃除習慣が身についた
正直、掃除や片づけが得意ではない筆者。手元隠しのない、中が丸見えのキッチンは、ちょっと心配でした。しかし使ってみると…。逆に掃除が苦手な人ほど、おすすめしたくなります。
丸見えの間取りだからこそ、きれいにしようという意識が強く持てるのです。
以前の家のキッチンレイアウトは、壁つけタイプで手元隠しの壁がありました。「見えないからいいや」と甘えて、むしろきれいにできませんでした。
キッチンがきれいだと、ゲストのおもてなしにも積極的になれます。わが家のキッチンとダイニングは距離が近いので、いっそう会話も弾みます。
また、こまめに掃除をするために、汚れをためなくなったのもメリット。固着したしつこい汚れをこすり洗い…という自体もなくなりました。
耐水性のあるフロアタイルは汚れに強い
キッチン、洗面所、トイレの床にフロアタイルを採用しました。フロアタイルは、見た目の質感が安っぽくなく、リアルな質感のものが多くておしゃれです。
キズがつきにくく、耐水性、耐久性が高いという特徴も。水回りの空間では、床に液体をこぼすことがしばしばありますが、基本的にシミが残ることはありません。また、重い家具を置いても、跡がつきにくいといったメリットも。
先日、洗濯機修理の業者が訪問した際、床の水をふきながら、「この床、とても掃除しやすくていいですね!」とほめてくれました。
わが家は、洗面所にグレーのフロアタイルを採用しています。落ちた髪の毛や汚れが目立たないところも、メリットです。以前の住まいでは、白いクッションフロアだったので、安っぽくて、髪の毛や汚れがよく目立ちました。
ただし、汚れが目立つということは、汚れの存在が意識できるということ。こまめな掃除にもつながるので、これは考え方次第とも言えますね。
話がそれました。水回りの掃除をラクにするには、耐水性があって、汚れに強いフロアタイルの採用が近道だと感じました。
フルフラットの床でラク掃除&安全安心
前住んでいた家は段差が多くて、ロボット掃除機が使えませんでした。そこで新居では玄関以外は完全に段差をなくしました。
段差がない間取りというだけでバリアフリーですし、将来子どもと暮らす際もケガのリスクも減るし、掃除もしやすくて、いいことずくめ。なにより、ロボット掃除機で全部屋を掃除できるのは、本当にラクです(細かいところは、一般的な掃除機を利用して、たまに掃除するようにしています)。
汚れにくい&汚れが落ちやすい壁紙を採用
わが家の白のメインクロスは、汚れが落ちやすいことを第一条件で選びました。壁にもホコリがたまります。できるだけ凹凸が少ないものにして、汚れが落ちやすいタイプの壁紙を採用したかったのです。
また、わが家で子どもが暮らすようになる将来のことも想定。子どもは、なにをするかわかりませんから、壁紙の汚れ落ちを重視するのは大事ですよね。
実際、選んだ壁紙に、調味料やジュースが飛び散った際、濡れたティッシュで軽くこすったら、すぐ汚れが落ちました。
以上、掃除をラクにするために考えた、わが家の工夫を紹介してみました。
今回、改めて感じているのは、やはりフラットなものは掃除がしやすいですね! 掃除のしやすさにおいては、構造をシンプルにするのがいちばん効果的だと感じました。
また、設備を選ぶときに、デザインだけじゃなく、素材にもこだわったのは正解でした。今はすごくハイテクな素材がどんどん出てきています。汚れやすいものほど、汚れに強い、あるいは掃除がしやすい素材を選べば、家事ストレスの少ない家が実現できそうです。