携帯電話の契約者情報が記録されるSIMカードを不正に入手し、それを利用して他人の口座から金を引き出したとして、詐欺などの疑いで10日、上三川町の無職の女(30)が警視庁に逮捕されました。

 警視庁の調べによりますと、容疑者は去年(2022年)9月、何者かと共謀し東京に住む女性のスマートフォンの電話番号を乗っ取り、女性の銀行口座に不正にアクセスして現金を引き出すなどした疑いがもたれています。

 こうした手口は「SIMスワップ」と呼ばれています。具体的には不正に入手した他人の個人情報を利用してその人になりすまし、SIMカードを紛失したなどとして携帯電話販売店に再発行させる手口です。

 SIMスワップによる不正出金の摘発は珍しく、調べに対し容疑者は「お金がなかった」と容疑を認めているということで、警視庁はこうした手口で約9千万円の不正出金に関与したとみて捜査しています。

 また容疑者が交流サイト・SNSで「高収入」「副業」などと検索していた形跡があったことから、警視庁は犯罪の実行役を募る「闇バイト」に応募した可能性があり、指示役がいるとみて調べています。