【悪酔い対策クイズ】「飲む前に牛乳」「二日酔いにシジミとウコン」はそれぞれ〇か×か?【看護師が解説】
看護師のmocaです。長かったコロナの流行もようやくも落ちつき、今後お酒を飲みに行く機会が増えていきそうですね。楽しいお酒の席ではついつい飲みすぎてしまい、悪酔い・二日酔いで後悔することも…。3月25日放送の日テレNEWSでは、悪酔い対策についてアルコール性肝障害に詳しい医師が解説していました。巷でよく耳にする「飲酒の前に牛乳を飲む」や「ウコンやシジミ汁を飲む」などの悪酔い対策は、本当に正しいのでしょうか。今回は、飲酒時の注意点やお酒との上手な付き合い方についてまとめていきます。
自覚が無くとも数値は嘘つかない!ダイソー「アルコールチェッカー」に息吐いてみた!ワイン2杯の結果は…⁉
悪酔いのメカニズム
悪酔いや二日酔いの原因は、肝臓がアルコールを分解する過程で発生する『アセトアルデヒド』という有害物質です。
お酒に含まれるアルコールは20%は胃から、80%は小腸から血液中に吸収され、肝臓で処理されます。
肝臓に届いたアルコールは、酵素によって有害なアセトアルデヒドに分解され、次に無害な酢酸に分解されます。
酢酸は全身をめぐりながら水と二酸化炭素に分解され、最終的には尿や呼気として体外へ排出されていきます。
過剰な飲酒によって肝臓の処理能力を超え、分解しきれなかったアセトアルデヒドが体内に残ることで引き起こされるのが、吐き気や頭痛・動悸などの症状です。
出典:イラストAC
またアルコールは利尿作用があり、飲んだ水分よりも多くの水分が尿として排出されます。
加えてアルコールが肝臓で分解される際には水分を消費するため、飲み過ぎは脱水を招きやすく、頭痛や倦怠感、立ちくらみなどを引き起こし、悪酔いや二日酔いの症状を助長させてしまうんです。
実は間違っていた!これまでの悪酔い対策
日テレNEWSでは、アルコール性肝障害が専門の慶應義塾大学名誉教授、MOA高輪クリニック院長の加藤眞三医師がよく耳にする悪酔い対策について解説していました。
「飲酒前に油分のある食べ物や牛乳を摂って、胃に膜を作る」は間違い
加藤医師は「牛乳は胃の中のアルコールを薄めるためと栄養補給のために飲んでもよいが、胃からのアルコールの吸収を防ぐことはできない」と言います。
また飲酒と肝機能障害について、以下のようにコメントしていました。
「日本人成人の約3分の1には肥満による肝機能障害・脂肪肝がある。空腹のままお酒を飲むよりは、食事を摂ったほうがアルコールの分解は早くなるが、唐揚げなどの脂質の多い食べ物をおつまみとして食べることによって肝障害が進みやすくなる」
出典:イラストAC
アルコールと脂質の組み合わせは、肝臓にとって負担がかなり大きいです。
番組で紹介していたメニュー例
【脂肪肝の人が摂り過ぎに注意したい食事】
唐揚げ、ハンバーグ、ラーメン、餃子などの脂もの
シジミ、ウコン、レバー、チーズ、果糖(果物)
【おつまみに適しているもの】
適度な野菜や消化の良い炭水化物(雑炊など)
魚類、ナッツ類、豆類(枝豆など)
酒のお供に選ぶのは、揚げ物やチーズ、スナック類よりも、低脂質な焼き鳥や野菜スティックなどにするのが良いですね。
シジミやウコンの摂りすぎは要注意
これは意外かもしれませんが、加藤医師によると、ウコンやシジミ汁を飲んでもアルコールの分解が早まるわけではないそうなんです。
「実はウコンやシジミは鉄の含有量が多いため、毎日大量に摂ってしまうと、鉄過剰摂取でアルコール性肝障害を悪化させてしまう危険性がある」と加藤医師は言います。
鉄は体にとって大切な栄養素ですが、鉄の貯蔵庫である肝臓に過剰に蓄積されると肝障害を進めることになってしまうので注意が必要です。
「汗をかいて体のアルコールを抜く」は間違い
冒頭でも述べた通り、アルコールの分解は肝臓で行われるため、汗や尿としてそのまま排泄されるわけではありません。
「脱水予防のために水分を摂ることは必要だが、水を大量に飲んでも汗や尿からアルコールが抜けるわけではない」と加藤医師。
酔いをさまそうとサウナやお風呂に入ることは、そのまま寝て脱水を起こしたり、寝てしまう可能性があります。危険なので避けましょう。
ちなみに飲酒後すぐに寝てしまうと、アルコールの分解を遅らせてしまうことになります。
では、悪酔いしないためにはどんな飲み方がよいのでしょう。
番組に出演した日本酒学講師で日本酒品質鑑定士のおおくぼかずよさんは、「燗酒(かんざけ)」をおすすめしていました。
悪酔いを防ぐには燗酒が良い
燗酒とは、おいしく飲めるように温めた日本酒のことをいいます。
出典:イラストAC
おおくぼさんによると、冷酒は脳で酔いを感じにくいため飲み過ぎてしまうことが多く、肝臓でのアルコール分解に時間がかかってしまい、体にアルコールが残りやすいそうです。
一方、温かいお酒は小腸から吸収されやすく、脳で酔いを感じるスピードが冷酒よりも早いので、適量でストップしやすく悪酔いしにくいのだと言います。
なるほど。早く酔いを感じられる燗酒のほうが飲みすぎによる悪酔いを防げるというわけですね。
いかがでしたか?
空腹状態ではアルコールを分解しにくいので飲酒前に少しでも食べておく、お酒を飲みながらこまめに水分補給をする、低脂質な食事を楽しみながらゆっくりと飲むといった点を心がけると、悪酔い防止につながるのでぜひ実践してみてくださいね。
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悪酔いのメカニズム
悪酔いや二日酔いの原因は、肝臓がアルコールを分解する過程で発生する『アセトアルデヒド』という有害物質です。
お酒に含まれるアルコールは20%は胃から、80%は小腸から血液中に吸収され、肝臓で処理されます。
肝臓に届いたアルコールは、酵素によって有害なアセトアルデヒドに分解され、次に無害な酢酸に分解されます。
酢酸は全身をめぐりながら水と二酸化炭素に分解され、最終的には尿や呼気として体外へ排出されていきます。
過剰な飲酒によって肝臓の処理能力を超え、分解しきれなかったアセトアルデヒドが体内に残ることで引き起こされるのが、吐き気や頭痛・動悸などの症状です。
出典:イラストAC
またアルコールは利尿作用があり、飲んだ水分よりも多くの水分が尿として排出されます。
加えてアルコールが肝臓で分解される際には水分を消費するため、飲み過ぎは脱水を招きやすく、頭痛や倦怠感、立ちくらみなどを引き起こし、悪酔いや二日酔いの症状を助長させてしまうんです。
実は間違っていた!これまでの悪酔い対策
日テレNEWSでは、アルコール性肝障害が専門の慶應義塾大学名誉教授、MOA高輪クリニック院長の加藤眞三医師がよく耳にする悪酔い対策について解説していました。
「飲酒前に油分のある食べ物や牛乳を摂って、胃に膜を作る」は間違い
加藤医師は「牛乳は胃の中のアルコールを薄めるためと栄養補給のために飲んでもよいが、胃からのアルコールの吸収を防ぐことはできない」と言います。
また飲酒と肝機能障害について、以下のようにコメントしていました。
「日本人成人の約3分の1には肥満による肝機能障害・脂肪肝がある。空腹のままお酒を飲むよりは、食事を摂ったほうがアルコールの分解は早くなるが、唐揚げなどの脂質の多い食べ物をおつまみとして食べることによって肝障害が進みやすくなる」
出典:イラストAC
アルコールと脂質の組み合わせは、肝臓にとって負担がかなり大きいです。
番組で紹介していたメニュー例
【脂肪肝の人が摂り過ぎに注意したい食事】
唐揚げ、ハンバーグ、ラーメン、餃子などの脂もの
シジミ、ウコン、レバー、チーズ、果糖(果物)
【おつまみに適しているもの】
適度な野菜や消化の良い炭水化物(雑炊など)
魚類、ナッツ類、豆類(枝豆など)
酒のお供に選ぶのは、揚げ物やチーズ、スナック類よりも、低脂質な焼き鳥や野菜スティックなどにするのが良いですね。
シジミやウコンの摂りすぎは要注意
これは意外かもしれませんが、加藤医師によると、ウコンやシジミ汁を飲んでもアルコールの分解が早まるわけではないそうなんです。
「実はウコンやシジミは鉄の含有量が多いため、毎日大量に摂ってしまうと、鉄過剰摂取でアルコール性肝障害を悪化させてしまう危険性がある」と加藤医師は言います。
鉄は体にとって大切な栄養素ですが、鉄の貯蔵庫である肝臓に過剰に蓄積されると肝障害を進めることになってしまうので注意が必要です。
「汗をかいて体のアルコールを抜く」は間違い
冒頭でも述べた通り、アルコールの分解は肝臓で行われるため、汗や尿としてそのまま排泄されるわけではありません。
「脱水予防のために水分を摂ることは必要だが、水を大量に飲んでも汗や尿からアルコールが抜けるわけではない」と加藤医師。
酔いをさまそうとサウナやお風呂に入ることは、そのまま寝て脱水を起こしたり、寝てしまう可能性があります。危険なので避けましょう。
ちなみに飲酒後すぐに寝てしまうと、アルコールの分解を遅らせてしまうことになります。
では、悪酔いしないためにはどんな飲み方がよいのでしょう。
番組に出演した日本酒学講師で日本酒品質鑑定士のおおくぼかずよさんは、「燗酒(かんざけ)」をおすすめしていました。
悪酔いを防ぐには燗酒が良い
燗酒とは、おいしく飲めるように温めた日本酒のことをいいます。
出典:イラストAC
おおくぼさんによると、冷酒は脳で酔いを感じにくいため飲み過ぎてしまうことが多く、肝臓でのアルコール分解に時間がかかってしまい、体にアルコールが残りやすいそうです。
一方、温かいお酒は小腸から吸収されやすく、脳で酔いを感じるスピードが冷酒よりも早いので、適量でストップしやすく悪酔いしにくいのだと言います。
なるほど。早く酔いを感じられる燗酒のほうが飲みすぎによる悪酔いを防げるというわけですね。
いかがでしたか?
空腹状態ではアルコールを分解しにくいので飲酒前に少しでも食べておく、お酒を飲みながらこまめに水分補給をする、低脂質な食事を楽しみながらゆっくりと飲むといった点を心がけると、悪酔い防止につながるのでぜひ実践してみてくださいね。