ゼルダのMODプレイ動画を投稿していたYouTuberが任天堂に投稿を消されるも通常のゲームプレイ動画も巻き添えになり異議申し立て
任天堂は著作権侵害に対して厳しい姿勢をとることで知られており、ゲームプレイを収録した実況ムービーやライブ配信についてはガイドラインを作成して厳格なルールを定めています。ところが、YouTuberのPointCrow氏が「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のMODプレイムービーを投稿した結果、任天堂から著作権侵害による削除通知を受けてMODプレイムービーだけでなくガイドラインに反していない通常のプレイムービーまで削除されてしまう事態が発生しました。
PointCrow氏は160万人以上のチャンネル登録者数を誇る人気YouTuberで、主にゲーム関連のムービーを投稿しています。しかし、2023年4月7日に複数のムービーが任天堂によって著作権侵害ムービーに指定されてしまいました。
Incredibly disappointed that @NintendoAmerica has decided to block my videos on Breath of the Wild. It’s the love for the community and the innovation that we bring to it that has kept it alive & brought new people to love the Zelda series. I hope you reverse your decision soon. pic.twitter.com/CtvjpmBrs3— eric pointcrow (@PointCrow) April 7, 2023
任天堂が著作権侵害を指摘したムービーのリストが以下。指定された27本のムービーのうち24本は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」に関連するムービーでした。
著作権侵害の警告を受けた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」関連ムービーの多くは、MOD(ゲームの内容を改変するプログラム)を用いたものだったとのこと。任天堂のガイドラインでは「改造されたゲームソフト」を用いたムービーの投稿が禁止されているため、任天堂による対応は妥当といえます。
しかし、PointCrow氏によると著作権侵害の警告を受けたムービーの中にはMODを使用していない通常のゲームプレイムービーも含まれていたとのこと。
PointCrow氏は、任天堂が通常のゲームプレイムービーを投稿することをガイドラインで容認していることを踏まえて、著作権侵害警告が不当なものであると主張しています。
PointCrow氏が投稿していたMODプレイムービーには、「使用したMODは、MOD制作者に対する有償依頼によって開発された」という旨が記されていたとのこと。ニュース共有サイトのHacker Newsでは、「MOD制作者に金銭を支払っていたことが、任天堂を怒らせた」と推測されています。
また、あるHacker Newsユーザーは「有名メディアのインタビューに応じて目立ちすぎる」「ゲームの海賊版を用いる」「金銭的な取引を生じさせる」「ゲーム作品の独自リメイクや独自続編を作成する」といった禁忌を犯さない限り、任天堂が著作権侵害についてとやかく言うことはないと指摘。その上で、PointCrow氏のMODプレイムービーは「有名メディアに報じられる」「MOD制作者と金銭的な取引を行っていた」といった特徴を備えていたため、著作権侵害の警告を受けたと推測しています。