那須町で2017年3月、登山講習中の大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が雪崩に巻き込まれ死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった教諭3人の裁判が5日宇都宮地方裁判所で開かれ、学校の安全教育に関する専門家への証人尋問が行われました。

 業務上過失致死傷の罪に問われているのは、当時の講習会の責任者の猪瀬修一被告(56)と8人が亡くなった大田原高校の班を引率していた菅又久雄被告(54)、後続の班を引率していた渡辺浩典被告(60)の3人の教諭です。

 5日の証人尋間で専門家として証言台に立ったのは、学校の安全について調査や研究などを行う日本安全教育学会の会長で、那須雪崩事故の検証委員会の委員長を務めた戸田芳雄氏です。

 戸田氏は登山部について、高校から入部する人が多く活動は初めてのことが多く伴うとした上で、「リスクの高い活動をしないことと、特に気象について注意する必要がある」と指摘しました。

 また、以前の公判で弁護側が事故の発生前に教諭が再三引き返す指示を出したものの、生徒が従わなかったという主張については、「子どもが言ったから判断を誤ったというのは、教諭として恥ずかしくて言えないこと」と述べ生徒がなんと言おうと安全を守るべきとしました。

 次回の公判は4月12日に開かれます。