『バーチャルYouTuber名鑑2018』掲載1000人中、今も活動しているのは何人?→調べて引退済み・古参Vtuberに真相を聞いてみました
こんにちは。ライターのシュゴウです。
私事で恐縮ですが、最近、推しのVTuberが引退してしまいました。非常につらい。
どんどん新しい人がデビューしていく一方で、引退する人も多い競争率の激しいVTuber界ですが、デビューする人ばかりだったVTuber黎明期の2018年に、こんな書籍が発売されていたのをご存知でしょうか?
その名は『バーチャルYouTuber名鑑 2018』。2018年5月時点で活動していたVTuberを1000人以上掲載した本になります。
この本が発売された2018年7月。当時の私はこう思いました。
はい。というのも、この本は2016年〜2018年のVTuber黎明期にデビューしたVTuberをかなり網羅的に掲載しており、今となっては当時を振り返るための貴重な資料といえるような書籍になっているんです。
VTuberの第一人者と言われている「キズナアイ」は、2016年12月に活動を開始しました。
その後の2017年には、電脳少女シロ/ミライアカリ/バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん/輝夜月という、VTuberブームを牽引したVTuber四天王がデビュー。「バーチャルYouTuber」「VTuber」という言葉が世に浸透します。
そして翌年の2018年上半期には、VTuberブームの勢いにのり企業・個人問わず多くのVTuberが雨後の筍のごとく誕生していきました。2016年〜2018年上半期は、まさにVTuberビックバンといっていいようなVTuber勃興の時代だったわけです。
企業・個人問わず黎明期にデビューしたVTuberをかなり網羅
『バーチャルYouTuber名鑑 2018』は、そんな2016年〜2018年にデビューしたVTuberをかなり網羅的に掲載しているので、この本を使えば「VTuber黎明期にデビューしたVTuberのうち、今も活動を続けている人ってどれくらい?」みたいな疑問を明らかにできるんです。
時は2023年。あの頃思い浮かべた「5年後」がやってきました。
ということで、実際にいろいろ調べます。
見る分には面白そうだけど、実際に調べるの面倒くさそう〜
頑張って調べました
調査項目は、「登録者数」「活動開始日」「最終動画投稿日」「チャンネル・動画削除」の5項目。
これらのデータを集計した後に分析をし、「現在もバーチャルYouTuberとして活動を続けている人の割合はどのくらい?」「チャンネル登録者数の寡占割合はどれくらい?」などを明らかにしたいと思います。
『バーチャルYouTuber名鑑 2018』には、VTuber一人ひとりにYouTubeチャンネルへのQRコードが掲載されているので、スマホでQRコードを一件ずつ読み取り……
エクセルにデータを入力していきます。開始して15分くらいで「もしかして、手入力するには1000人って多すぎ?」と気がついてしまったのですが、全力でスルーし続けます。
「活動開始日」はYouTubeチャンネルの登録日から記録していますが、もともとYouTubeチャンネルで動画を投稿していた人が途中からVTuber活動を開始したような場合は、最初のVTuber動画投稿日を記録しています。
「最終動画投稿日」は、一般の動画とライブ配信の動画が対象。より最新の動画投稿日を記録しました。YouTubeチャンネルのアカウントが削除されていたり、アカウントは残っているものの動画が全削除されていたりするケースも結構多かったので、その場合は「チャンネル・動画削除」としてカウントしています。
この『バーチャルYouTuber名鑑 2018』は網羅っぷりがすごくて、「どうやって見つけたの?」みたいなVTuberまで掲載しているのですが、中には「VTuberとしてカウントしていいのか……?」みたいな方も何名かいたので、そういった方は集計対象から除外しました。
たとえば、こちらの「うん子」さん。
iPhoneのアニ文字をアバターとして使ってVTuberを名乗るのはまだいいんですが、なんと、書籍掲載時点での総再生数、まさかのゼロ。なんで……?
つまり、当時の時点で動画を1本も投稿していないと思われます。なんでチャンネル登録者62人もいるんだよ。
そして、現在も投稿動画本数はゼロでした。動画を1本も出してないのにVTuber名鑑に名を残すなよ。
1001件のデータ。右端にいるピカチュウは私のPCのマウスカーソルです
という感じで、今回は『バーチャルYouTuber名鑑 2018』に掲載されている千数十人のVTuberから、活動実態のあった1001人を調査の対象としました。
アカウントが削除されている場合は「登録者数」「活動開始日」「最終動画投稿日」はわからないので空欄になっています。
「集計、4〜5時間で終わるかな?」とか思っていたのですが、「活動開始日」を特定するためにすべての投稿動画を確認する必要が何度も発生したり、数百件カウントした後にライブ動画の存在に気がついて一から集計し直したりして、普通に15時間以上かかりました。
すべてのデータを集計し終わったら、引退率などを分析します。
1001人のうち、現在もVTuberとして活動を続けている人の割合はどのくらいなのか!? いよいよ明らかになります!
結 果 発 表!
まずは引退・活動休止率の発表です。
今回は、調査をした2023年1月から遡って3ヶ月の間に、YouTubeで1本も動画投稿やライブ配信をしていなかった人を「実質YouTube上での活動が引退・休止状態にある」と定義し、引退・活動休状態の人の割合を出してみました。
結果は……67.3%!
調査対象の1001人のうち674人は、引退をしているか活動休止状態(3ヶ月間動画の更新をしていない状態)になっているという結果になりました。
6ヶ月間動画の更新をしていなかった人の割合は63.6%という結果に。3ヶ月と比較すると少し減ったものの、相変わらずの過半数超え。
もちろん、YouTube以外のプラットフォームで活動している可能性もありますが、1001人のうち674人が3ヶ月間動画を投稿していない状態=実質引退/活動休止状態であると考えると、やはりVTuber界で生き残り続けるのはそう簡単ではないようです。
……いや、でも逆に考えたら1001人中327人は今も活動を継続してるのか。
……この本に掲載されているVTuberさんは2018年5月までにデビューした人達だから、約5年も活動を継続してる人が1001人中327人もいるって、むしろ多い……?
……結局これって多い感じなの? それとも少ない感じ???
よくよく考えたら自分は別にVTuberとかエンタメの専門家じゃないし、数字とか苦手な方だし、「ふ〜ん……」という感想しか思い浮かびませんでした。そんなの絶対ダメじゃん。
当事者の皆さんに率直な意見を聞いてみよう
分析した結果に対して、私が勝手にあれこれ言っても説得力がないでしょうし、あれこれ言いたくても「???」って感じだったので……
2017〜2018年にデビューし、当時VTuberだった皆さんに率直な意見を聞く座談会「古参VTuber座談会」を開催します!
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