徳之島vs川内商工 「吉村部長のために」でチーム一丸！・徳之島
＜春季九州高校野球鹿児島県大会：徳之島5−3川内商工＞◇30日◇3回戦◇平和リース
川内商工は1回裏、エラーで先制した。
徳之島は4回、1死満塁から8番・正岡 大暉主将（3年）の内野ゴロで同点に追いついた。
その裏、川内商工は7番・八尻 友里（3年）の左前適時打で再び勝ち越す。
6回表、徳之島は2死一塁から8番・正岡が右越え二塁打を放って追いつく。
川内商工はその裏、6番・�盒� 天優（2年）が遊後方、中前に落ちるラッキーな適時二塁打でまたも勝ち越しに成功したが、徳之島は7回表無死一、二塁から3番・嶋田 翔仁（2年）が右翼線三塁打を放ち、初めてリードを奪った。
9回には4番・上原 龍樹（2年）がダメ押しの右越えソロを放った。力投を続けた先発の大澤 康誠（3年）が7回以降は追加点を与えず、最後は併殺で締めくくって接戦をものにした。
徳之島は終盤逆転勝利で、昨秋に続いて2季連続の8強入り。この3月で異動になった吉村公規部長にとっては、この試合が最後のベンチになる。「吉村部長のために勝って送り出す」（正岡 大暉主将）気持ちでチームが一丸となった。
正岡主将は「どんな形でも得点を積み重ねる」意気込みで打席に立った。4回は満塁から内野ゴロ、6回は2死一塁で右越え二塁打と2度の同点打を放った。
大きなヤマ場は7回表。無死一、二塁と初戦の初回と同じ状況で「良い目をしていた」（地頭所眞人監督）3番・嶋田の強打に賭けた。初戦と同じく「つなぐつもりで、下半身を使って右方向に打つ」意識で逆転の右翼線三塁打を放ち、期待に応えた。9回は主砲・上原が右翼席に特大アーチを放ち、ダメ押した。
エラー、バントや盗塁の失敗、好機に凡フライ…思い通りの野球ができず、負けてもおかしくない展開だったが「ベンチの雰囲気が良くて負ける気はしなかった」（地頭所監督）。
どんな展開でも最後に1点でも多いチームが勝つ。大切なことは「力は地から」（正岡主将）のチームの合言葉通り、粘り強く今やるべきことに集中し、「地に足をつけて野球をする」こと。昨秋苦戦をものにして8強に勝ち上がった経験や日頃から練習で意識してきたことを生かせた。
準々決勝は「短期目標」に掲げたベスト4をかけて強豪・鹿児島城西に挑む。正岡主将は「簡単な試合にはならないが、集中して自分たちの野球をやり切りたい」と闘志を燃やしていた。
（取材＝政 純一郎）
