「速攻却下」富士そば幻の商品にネット注目 「奇抜メニュー」なぜ次々開発?裏にある会社の精神
立ち食いそばチェーン「名代富士そば」が、商品開発の際に「速攻で却下された」というかけそばの商品をツイッターで紹介し、話題になった。
さつまいもを大胆に使った商品写真に対し、ユーザーからは「破壊力ある」などと驚く声が相次いだ。
同社はツイッターのプロフィールでも「SNSで話題になる奇抜な店舗限定オリジナルメニュー」を紹介すると記載しており、たびたび話題になっている。J-CASTニュースは、こうした取り組みを行う理由について詳しい話を聞いた。
「チャレンジャー精神と素直な気持ちの表れ」
発端は、名代富士そば公式ツイッターによる2023年3月15日の投稿だ。「旬の徳島フェア」というキャンペーンで商品開発した際、「速攻で却下された幻の商品」として2枚の写真を紹介した。
1枚目では、かけそばの上に2本の焼き芋が丸ごと乗っている。2枚目では、かけそばの上に大学芋が乗っている。この写真に対し、ユーザーからは「丸ごとすぎw」「そのまますぎる...」「破壊力ある」などと驚く声が寄せられた。
同社は、以前から「ポテそば」や「いくら風タピオカ漬け丼」といった「奇抜なメニュー」を販売し、多数のメディアに取り上げられてきた。また、かけそばの上にカレーパンを丸ごと乗せた写真などをツイッターに投稿し、SNSでも話題になっている。
なぜこうした商品の開発に取り組むのか。名代富士そば広報は22日、「あまり深いことは考えていないのですが、(1)先ずは試す、挑戦をする、(2)良ければ発展させていくという風習が富士そばには強いです」と取材に説明した。
「チャレンジャー精神と素直な気持ちの表れだと思っていただけると嬉しいです」
今回話題になったさつまいもの商品は、22年4〜5月頃に撮影したものだという。22年11月1日から始まった「旬の徳島フェア第2弾」の企画に向け、徳島県産ブランドのさつまいも「なると金時」を使った最初の試作シリーズだった。
広報は「さつま芋の美味しい食べ方と立ち食いそば屋を純粋に簡単に合体させてみました」と開発した理由について述べた。
「試した結果を素直に表現しています」
今回却下されたのは、焼き芋のかけそばは「皮が邪魔なのですが、皮を取ると、見た目が焼き芋では無くなってしまいました」という理由、大学芋のかけそばは「皮も食べれてとても良かったのですが、調理工程と保管・保存方法にゴールが見えませんでした」という理由からだという。
広報は、こうした「奇抜なメニュー」をツイッターに投稿する理由について、「ひとつの商品が誕生するまでにいろんな角度から見つめたり、様々な方法で食べたり、表現をしたりします」とした上で、次のように述べた。
「可能性を想像で消すのではなく、試した結果を素直に表現しています。大切な第一歩目があって、最終形(完成形)が生まれます。その一歩目を振り返ると笑えてくることが多いのでファンの皆様にも見て貰いたいと思っております」
今回大きな反響があったことに対し、広報は「すごく嬉しい反面、残念な気持ちも入り乱れています。各キャンペーンの時に流せば良かったと、反省をしております」と振り返っている。