親指のつけ根か手の平の上が痛くなったら神経集中できず危険回避が遅れる!

バイクにも慣れて遠出をするようになると、ハンドルを持つ手の親指のつけ根や手の平の上のほうが痛くなり、時間が経つ毎に傷みが増すことがある。
これが続き過ぎると手の平から感覚がなくなったり痺れたりすることも。

この手の平が痛くなる部分は神経が集中していて、ココを押えすぎると集中力が落ちて、横からクルマが飛び出したりの咄嗟の回避に鈍くなり、対応が遅れて事故る可能性もある。
そこまでならずとも、神経の集中が途切れ、自宅のすぐ前まで戻ってこれたのに、何ということはない足のつき方の遅れで立ちゴケしそうになったりする。

これは防いだほうがイイ、アブナイ状況なのだが、実はバイクを操るのにかなり不都合な状態へ陥ってもいるのだ。

左手首の角度をまっすぐ、
外側の指でホールドすればセルフステアを妨げない!

よくハンドルを押えずチカラを抜いてリラックスするようにいわれる。
これには、前輪がセルフステアといって舵角方向に車体の旋回へ追従する特性を妨げるからだ。

そのハンドルを押えてしまいがちなのが、グリップを握る手首の角度。
とくに左手は、スロットルを捻る右手と違って同じ状態が続くのでこの影響がモロにでるのだ。
誰もがやるように、長時間で徐々に上半身の体重を手首に載せてしまい、そうなると手首を強く曲げてグリップへブラ下がるように掴んだほうがラクに感じる。
その結果、親指のつけ根や手の平の上のほうが圧迫され、長時間で痛くなってくる。

左の手首はどんな時でも手の甲が真っ直ぐになるよう、角度をつけないことが、ハンドルを持つ手が痛くならないようにするベストな解決方法だ。
そしてそれは、大事なセルフステアを妨げない、重要な作法でもあるのだ。

誰かとペアで前輪を抑えなくなる違いを実感しよう!

この左手首に角度をつけてハンドルをホールドしている状態と、手の甲を真っ直ぐにして手首の角度がない状態との違いが、誰かに前輪を左右へ振ってもらうと誰にでもハッキリとわかる。

これは前輪を持って左右へ振る側になったほうが、前輪のセルフステアを手首の角度がついただけで、押えてもいないのに舵角がつきにくくなってしまう事実がむしろ明確にわかるので、ふたりで必ず交替して両方を実感しておくことだ。

このとき手首の角度だけでなく、親指のつけ根がグリップに当らないよう、手の薬指と小指の外側2本の部分で包み込むようにホールドすると、さらに差が明確になるのと、ブレーキやクラッチのレバー操作もこの手の平の外側を支点に操作するほうが入力コントロールが圧倒的にしやすくなる。

手首を真っ直ぐにして曲がると、ビックリするほど軽快に鋭く曲がれる!
この違いはぜひ知っておこう。

ハンドルからチカラが抜けないと
曲がれる能力を妨げる!

そもそもモーターサイクルのフロント操舵は、停車しているときにハンドルを切ればわかるように、舵を切ったのと反対側へ車体を押してしまうことでわかるように、ハンドルを切って曲がれる仕組みではない。
進路を変えるため曲がるには、車体を傾け後輪で旋回し、前輪がこれに追従して同心円を描きながら旋回するのが基本の原理だ。

フロントフォークが斜めにキャスター角をつけているのは、こうすることでステアリングヘッドへ車重が載ると、前輪は一番遠くなる(左右へ舵を切ると斜めの角度から真っ直ぐへ復元しようとする)真っ直ぐ前を向き、同時に少しでも車体が傾くと、前輪が同じように方向転換の方向へ追随しやすくなるためのキャスター角でもある。

この直進安定性とすぐに曲がれる反応の良い状態を妨げないのが、前輪のセルフステア特性を活かしたライディングとなる。
わかりにくい理屈な面もあるが、セルフステアを妨げないことがどれほど大事かは、こうしたメソッドを積みながら前後輪の法則を掴んでおくのが、結局は勘違いで乗りにくくしてしまわない一番の回避方法でもある。

とくにふたりで前輪を左右に振って実感するメソッドは、ぜひ体験しておきたい。あまりの明確さに目ウロコ間違いなしだ。

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