アラサー世代の黒歴史?「前略プロフィール」はなぜ消えた? 当時の中高生を中心に人気を誇った元祖SNSサービス時代の歴史を振り返る

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 今回紹介する動画は、ゆっくりルーザーズさんが投稿した『【前略プロフィール】国内元祖SNSが廃れた理由とは?!【ゆっくり解説】』。
 2000年代に当時の若者を中心に大流行した「前略プロフィール」はなぜ消えたのか、音声読み上げソフトを使用して解説しています。

【前略プロフィール】国内元祖SNSが廃れた理由とは?!【ゆっくり解説】

■いつの間にか消えた元祖SNS「前略プロフィール」

魔理沙:
 今回は、SNSの先駆けであり、中高生がこぞって運営していた個人プロフィールサイトである前略プロフィールがサービス終了に至った理由について解説するぜ。

霊夢:
 それにしても懐かしいよね。前略プロフィール。

魔理沙:
 そうだろう。なんてったって元祖SNSみたいな存在だからな。

霊夢:
 へえ。あれって元祖だったんだね。

中高生を中心にブームを引き起こし、2007年には455万人、2010年には630万人のユーザーがいた

魔理沙:
 当時はSNSという言葉自体が日本では浸透していなかったこともあって、誰も前略プロフィールをSNSとは思っていなかったが、今から考えればあれはSNSの走りだったんだぜ。

霊夢:
 たしかにね。一問一答形式で自身のプロフィールを公開していって、一番下にはゲストブックという掲示板を設置して友達と交流を図るんだよね。

魔理沙:
 よく覚えてるな。他にも前略プロフィールとは別の、ブログやリアルタイムなどをリンク先に設定しておくことで、ブログはそのままブログの役割を、リアルタイムは今で言うTwitterのような役割を果たしていたんだぜ。

霊夢:
 懐かしいなあ。色々なサービスを使いこなさなきゃうまく運用出来ないから今から考えればとても面倒な仕様だったけど、どうしてあんなに流行ったのかな?

魔理沙:
 それは誰にも分らないんだぜ。

霊夢:
 え?

魔理沙:
 当時の市況を考えると、2003年にアメリカでFriendster、Myspace、OrkutといったSNSが生まれたのがSNSのはじまりで、それらは日本では特に流行しなかったんだ。

霊夢:
 うん、3つとも初めて聞いたな。

魔理沙:
 そうだろう。そうした中、1年遅れの2004年に日本でもアメリカ同様に国産のSNSが多数生まれた。

霊夢:
 日本の企業もなかなか行動が早いもんだね。

魔理沙:
 ああ。2004年に生まれたのは、前略プロフィール、mixi、GREEの3つだったんだ。

霊夢:
 へえ、mixiとGREEもこの年に生まれたんだね。

魔理沙:
 そうだぜ。前略プロフィールは霊夢も知っての通り、ユーザー自身がリアルタイムやブログなどをリンク設定することでさまざまなカスタマイズが可能なSNSという点が強みだったが、カスタマイズをしないとただの自己紹介プロフィールHPみたいなものが出来上がるだけのものだった。

霊夢:
 うんうん。

魔理沙:
 一方のmixiやGREEはサービス開始当初こそ、機能面ではさほど優れてはいなかったが、(後にアップグレードされていった)それでも日記機能やフレンド間でのリンク機能は備えており、前略プロフィールと比較すると使いやすいサービスだった。

霊夢:
 たしかにそうだよね。

魔理沙:
 だが、mixiとGREEは招待制のSNSだったため、当時としては敷居の高いSNSだったんだ。一方前略プロフィールはと言えば、非常に自由度が高く、やろうと思えば個人でも複数のページを作成できた。

霊夢:
 ほう。それが良くて前略プロフィールは流行り出したのかな?

魔理沙:
 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

霊夢:
 え?

魔理沙:
 前略プロフィールは何の宣伝もしていなかったにもかかわらず、中高生の口コミを中心に爆発的に流行したんだぜ。

霊夢:
 す、すごい。Skypeの時もたしかそんな話だったよね。

魔理沙:
 そうだな。Skypeは当時としては革新的で、誰から見ても便利だったから口コミで広まった。
 そういう意味では前略プロフィールも、SNSというサービスを早期から誰にでも提供していたという点で他にない革新的なサービスだったのが中高生に受けたのかもしれないな。

???:
 その通り!

霊夢魔理沙:
 こ、この声は?

前略プロフィール:
 え? 僕ってサービス終了してたの? どうも、国産SNSとしてはもっと古くから存在していたうえ、当時の中高生の心を掴み、一躍大人気サービスになったにもかかわらず知らぬ間にひっそりと退場させられた元祖SNS、前略プロフィールです。

霊夢:
 (説明長い奴キターーー! )

前略プロフィール:
 魔理沙さん、どうして前略プロフィールはダメになってしまったんですか? 中高生を中心にあんなに人気だったのに? なんで? なんで?

魔理沙:
 うるさいよ。話を続けるぜ。以前もSkypeの時に話したが、口コミというのは最強の宣伝広告なんだぜ。

霊夢:
 そうだよね。広告で「この商品は最高です!」と謳われてるよりも、信用している友達が一言「これいいよ」と言ってきた方が買う気になるしね。

魔理沙:
 そういうことだ。口コミを上手く利用したバイラルマーケティングという手法が企業で研究されるほどには口コミは重要なものだが、おそらく前略プロフィールは意図したわけでもなく、自然と口コミで広まっていくほど新しいサービスだった。

霊夢:
 すごいな前略。

前略プロフィール:
 あのー……ぼくを作った人って何者なんですか?

魔理沙:
 日本の実業家である篠田裕輔という人物が、自身のキープライムという企業から前略プロフィールをリリースしたんだぜ。

霊夢:
 へえ。

魔理沙:
 このキープライムは後に楽天に株式譲渡したことで楽天の子会社となり、運営会社は楽天だったんだぜ。

前略プロフィール:
 そうだったんだあ……。

霊夢:
 分かった! SkypeもMicrosoftに買収されてからユーザーが離れていったから、前略プロフィールも楽天に買収されてダメになったって話でしょ!?

前略プロフィール:
 ええ!? 楽天のせいで!?

魔理沙:
 いやそういうことではないんだぜ。

霊夢:
 あ……じゃあ単純に人気が無くなっただけか。

前略プロフィール:
 君失礼だな。

魔理沙:
 前略プロフィールの人気が無くなり、2016年にはサービスが終了することになってしまった理由、それは他SNSへのユーザー流出だぜ。

霊夢:
 ものすごく普通な理由だね。

前略プロフィール:
 ここまでもったいぶっておいてそれですか?

魔理沙:
 まあ待て。ここにはSNSというサービス運営の難しさが詰まっているんだぜ。

霊夢:
 どういうこと?

魔理沙:
 前略プロフィールはmixiと同年に誕生したSNSだが、招待制ではなく誰でも利用できるという点が当初前略プロフィールの強みだった。

霊夢:
 そうだよね。

魔理沙:
 ところが、後に登場するモバゲーやアメーバピグを含め、多くのSNSが招待を受けなくても利用できるSNSだったんだ。それでも前略プロフィールの人気は衰えず、どうにか2010年まではユーザーを伸ばし続けてライバルのmixiに対抗してきた。

霊夢:
 やるもんだね。前略プロフィールも。

魔理沙:
 ところが2010年にmixiが招待制を廃止すると、前略プロフィールのユーザーはmixiへと移行。もしくはmixiと前略プロフィールを掛け持ちするユーザーなどが増えていったんだぜ。

霊夢:
 な、なるほど。

魔理沙:
 当時の国内SNSにおいて、mixiはそれほどの存在感を持っていたというわけだ。この時点では前略プロフィールもまだ踏ん張っていたが、2011年に入り、日本でもTwitterやFacebookが本格的に流行し始めると、とうとう前略プロフィールを利用する人は激減してしまったんだ。

前略プロフィール:
  くっ、次から次へと。

魔理沙:
 SNSのような無料で利用できるサービスは、より良いサービスが流行すると、ユーザーが一気に流れてしまうという特徴がある。また、前略プロフィールのメインユーザーは中高生だったが、若い世代は流行り廃りに非常に敏感なため、前略プロフィールのユーザーは瞬く間に消失してしまったというわけだぜ。

霊夢:
 そっかぁ……。

魔理沙:
 そして2012年に楽天はザッパラスという企業に前略プロフィールの事業を譲渡。

前略プロフィール:
 おい楽天さんよお! 人気が無くなり始めたらポイですか!? ええ?

魔理沙:
 この事業譲渡には別の理由があったんだぜ。

霊夢:
 どんな?

魔理沙:
 当時モバゲーを運営するDeNAが球界参入するかしないかという状況だったんだが、楽天がこれに反対したんだ。

霊夢:
 いきなりプロ野球の話になったな。

魔理沙:
 DeNAの球界参入を阻むために楽天は「モバゲーは出会い系だ」とDeNAを批判したんだ。

霊夢:
 なるほどね。

魔理沙:
 当然これに対して、楽天は前略プロフィールを運営しているだろという指摘が入る。これを機に楽天は前略プロフィールを譲渡することにしたというわけだぜ。

前略プロフィール:
 あんまりだ……。

魔理沙:
 かくして運営はザッパラスに移ったわけだが、その頃にはもう前略プロフィールのユーザーは少なくなっており、色々なキャンペーンを試すも、一度失ったユーザーはより便利で流行っているTwitterやFacebookなどで満足しており、mixiすらもユーザーの流出に歯止めが効かないほど、海外産SNSに浸食されてしまったということだぜ。

霊夢:
 ある意味、前略プロフィールの敗北は国産SNSの敗北とも言えるかもね。

魔理沙:
 そうだな。だが、広告宣伝を行ったわけでもなく口コミだけでここまで隆盛を極め、6年以上にわたり人気であり続けた前略プロフィールはやっぱりすごいんだぜ。 

霊夢:
 前略さん、提案なんだけど、私と手を組んで前略プロフィールを復活させない? 国産SNSでメジャーなものは少ないし、再ブレイクのチャンスかもよ? 前略がなくなって悲しい思いをしてた人はたくさんいるはずだからね!

魔理沙:
 いや、案外そうでもないと思うぜ。前略プロフィールのサービス終了が発表された際、寂しいという声もあったが、「黒歴史が消えてホッとする。嬉しい。」という声もたくさんあったんだ。

前略プロフィール: 
  嬉しいだって……!?

霊夢:
 なるほどね……。これ以上黒歴史で苦しむ人を増やすのも良くないか。やっぱりやめておこう。

 

 アラサー世代では「前略プロフィール」を懐かしい思い出だという方もいれば、消し去ってしまいたいという方もいるのではないでしょうか。
 解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。