MicrosoftがAIに自動でマインクラフトをプレイさせる機能を開発していると、Semaforが報じています。この機能はマインクラフト内でAIに何かしら作業(特定のオブジェクトの作成)をお願いするなどに利用されるようですが、記事作成時点では内部デモンストレーションの段階にあり、すぐにあらゆるユーザーが利用できる機能として実装されることはないようです。

What Microsoft’s new AI demo for Minecraft means for gaming | Semafor

https://www.semafor.com/article/02/16/2023/what-microsofts-new-ai-demo-for-minecraft-means-for-gaming

Microsoft Reportedly Made An AI That Plays Minecraft For You

https://kotaku.com/microsoft-minecraft-ai-tech-demo-voice-commands-1850131169

MicrosoftはAI研究団体のOpenAIに対して数十億ドル(数千億円)規模の出資を行い長期的なパートナーシップを結んでいます。このパートナーシップの成果として、MicrosoftはOpenAIの開発するチャットAIのChatGPTのアップグレード版AIを統合した、新しいBingを発表しました。

MicrosoftがChatGPTのアップグレード版AIを統合した新しい検索エンジンBingとブラウザEdgeを発表 - GIGAZINE



Microsoftがマインクラフト用に開発したAIも、ユーザーがAIに指示するだけでキャラクターを操作したり、素材を収集したりすることができるようなものになっている模様。ただし、新しいBingの基盤となっているテクノロジーである「Prometheus」は使用されていないそうです。

自然言語コマンドをマインクラフトに適用することは、ゲームに多くの変数が含まれており、オブジェクトを構築するために必要な手順が多くあることを考えると、非常に困難です。しかし、マインクラフト内のコンポーネントを使ってAIに車を作らせることで、恐らく人間が思いもしなかった方法で車を作り出してくれるはずと指摘。AIがマインクラフトのプレイにおける新しいアイデアを提案することに成功すれば、「マインクラフトのプレイが根本的に変わる可能性すらある」とSemaforは報じています。

また、Microsoftは最新のAIモデルの開発を支援しているだけでなく、Azureというクラウドプラットフォームを運用しているため、マインクラフト以外のゲームにも同様のAI機能を簡単に展開できるとSemaforは指摘しました。



海外ゲームメディアのKotakuは「コントローラーやキーボード・マウスといった従来の方法でゲームをプレイすることが苦手な人にとっては、マインクラフトをより手軽にプレイできるようになる可能性があります」と指摘。ただし、この件に詳しい関係者によると「Microsoftはマインクラフトの製品版にAIにマインクラフトをプレイさせる機能を実装する計画は当面ない」とのことです。

なお、マインクラフトのライバルとして人気のRobloxは、これまでジェネレーティブAIを活用してゲームを開発することについて公然と議論を続けており、RobloxのエグゼクティブであるStefano Corazza氏は、2023年3月に開催予定のGame Developers ConferenceでゲームとジェネレーティブAIについて講演予定です。