キャンプ初日に招いた痛恨離脱「止めてやれば…」 斉藤和巳コーチが悩む“ジレンマ”
森唯斗が右内転筋を痛めて離脱「残念な思いはあります」
野球選手と、怪我。切っても切れない関係にあり、避けなければならない永遠のテーマだ。ソフトバンクの斉藤和巳投手コーチは5日、春季キャンプの第1クールを終えて「一番は森が離脱して。本人も非常に悔しがっていた。担当コーチとして残念な思いはあります」と、真っ先に反省の思いを口にした。
キャンプインした1日、森唯斗投手はキャッチボールを終えると、ダッシュでブルペンへ。文字通り、一番乗りして投球を行った。そこで右の内転筋を痛めて帰福。5日からファーム施設「HAWKSベースボールパーク筑後」のリハビリ組に合流した。
「止めてやればよかったのかと言っても、本人がエンジン全開できたので。その気持ちを買ったというところですけど。個人的には反省点です」と斉藤和コーチは振り返る。森に対しての申し訳なさも、指導者としての責任も痛感した。
今季は森にとっても先発転向となるシーズンで、力強い発言で意気込みを表現してきた。その思いは首脳陣にも伝わっていただけに「彼なりに危機感と、絶対に自分の居場所を作るという思いは話していても伝わってきた」。鬼気迫る選手の状態を、どうやって管理するのか。就任1年目の斉藤和コーチにとっても、生かしていかないといけない経験になったはずだ。
「正解を見つけるのはなかなか難しいと思う。ただ指導者としてはどこかで止めることはできなかったのかというのは、考えたし。今も考えていますよね」
自戒の思いは胸に刻んだ。斉藤和コーチに限らず、全ての指導者が向き合い、答えを見つけようとしなければならない。(竹村岳 / Gaku Takemura)