Appleは拡張現実(AR)や仮想現実(VR)に対応した独自のヘッドセットを開発していると長らくウワサされており、Appleの商標出願からこれらのヘッドセットが「Reality One」や「Reality Pro」といった名称であることが明らかになっています。そんな中、Appleが開発中のヘッドセットに搭載されるOSの名称が「xrOS」に変更されたと、Bloombergが報じました。

Apple Mixed-Reality Headset Rivaling Meta Set to Run ‘xrOS’ Operating System - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-12-01/apple-mixed-reality-headset-rivaling-meta-set-to-run-xros-operating-system

Apple AR/VR headset: Release date and everything we know | Macworld

https://www.macworld.com/article/557878/apple-headset-ar-vr-design-features-specs-price.html

Apple AR, VR operating system now called 'xrOS' | AppleInsider

https://appleinsider.com/articles/22/12/01/apple-ar-vr-operating-system-now-called-xros





Appleは2015年にApple Watchを発表して以来の主要な新製品カテゴリとして、ARとVRに対応した複合現実(MR)ヘッドセットの開発を進めていると、Bloombergのマーク・ガーマン記者が指摘しています。AppleのMRヘッドセット開発に詳しい関係者によると、Appleは早ければ2023年にもMRヘッドセットを発売する可能性があり、これに合わせて専用OSとサードパーティー製のソフトウェアを配布するためのアプリストアも発表することになるそうです。

AppleはMRヘッドセット用のOSとして、「realityOS」という名称のOSを開発していることがGitHub上に存在したAppleのアカウントが作成したリポジトリから明らかになっていました。しかし、この「realityOS」の名称が「xrOS」に変更されたと、匿名の関係者が明かしています。

AppleがVR/ARヘッドセット向けOS「realityOS」を開発中であると判明 - GIGAZINE



なお、この「xr」は拡張現実と仮想現実の両方を含む用語であり、Metaが開発していたMRヘッドセット用OSの社内での呼称も「XROS」だったそうです。なお、MetaのXROSの開発は最近になってキャンセルされたと報じられています。

MetaがAR/VR向けOSの独自開発プロジェクトを白紙にしたという報道 - GIGAZINE



Bloombergによると、AppleはARおよびVR市場に参入すべく着々と準備を進めているとのこと。Appleが2015年に発表したApple Watchは、同社の「その他の製品カテゴリ」の売上高を爆増させており、2022年第4四半期決算では売上全体の10%超に相当する96億5000万ドル(約1兆3000億円)を記録しています。

AppleのMRヘッドセットはARとVRの両方に対応するという点で、VR特化のMetaやHTCのヘッドセットとは異なるアプローチをとっているとBloombergは指摘。しかし、MetaはVRとARの両方に対応した新しいヘッドセット「Quest Pro」を発表しています。

MetaのハイエンドVRデバイス「Quest Pro」は2022年10月26日に発売、価格は22万6800円 - GIGAZINE



Bloombergによると、xrOSはメッセージアプリやマップアプリといったコアアプリのMR版を含み、サードパーティーの開発者が独自のアプリやゲームを開発できるように、ソフトウェア開発キットと連携することになるとのこと。xrOSやMR用の純正アプリの開発は、Appleが「Technology Development Group(TDG)」と呼ぶMike Rockwell氏が率いる秘密のチームが行っていると報じられています。

また、2022年11月にはAppleの出した求人情報から同社が独自の3Dベースの複合現実世界の作成を目指していることも明らかになっていました。AppleのMR開発に詳しい関係者によると、MRヘッドセットは仮想コラボレーションツールとFaceTimeのVR版を提供し、ZoomやHorizo​​n Workroomsといったツールの競合になることを目論んでいるそうです。

なお、AppleがrealityOSの名称をxrOSに変更したのとほぼ同時期に、Deep Diveという企業がいくつかの国で「xrOS」の商標を出願したことも明らかになっており、AppleがMRヘッドセットの発表に向けて着々と準備を進めている証であるとBloombergは報じています。