著書やメディアを通じて、「シンプルライフ」を提案し、すっきりした部屋で暮らすエッセイストの金子由紀子さん。じつは、ものを捨てたり、片づけたりするのが苦手なのだそう。

ものを循環させて「持たない暮らし」を楽しむ

「使いきっていないものを捨てるのは、気分のいいものではありません。とはいえ、家の中に不要なものがあふれていたら、片づけも掃除も大変。余計な手間をかけずに、すっきりした部屋で毎日笑顔で暮らしたいから、20代のころからできるだけ余計なものを“持たない”ように心がけています」。

30年かけて編み出した「持たない暮らしのルール」を教わりました。

「持たない3か条」ですっきり暮らす

「捨てる」を最小限に抑えるためには、そもそも「持たない」=不要なものを家の中に入れないのがいちばん。実践するために金子さんが決めている、ルールをご紹介します。

●タダのもの禁止、セール品にも飛びつかない

「不要なものは、タダでも不要。結局ゴミが増えるので『タダだから』『安いから』と安易に家にものを持ち込まないことが大事です」。セール品も買う基準がゆるみがちなので注意。

 

●「欲しい」と思ったらまず代用

欲しいものがあっても、すぐには買わず、まずは家にあるもので代用できないか考えるのを習慣に。「案外ことたりてしまうことが多いものです」(金子さん)

【ホットサンドメーカーは「鍋+水」で代用】

流行りのホットサンドメーカーも、フライパンに具をはさんだパンを置き、水入りの鍋を重しにのせて代用。「クッキングシートを敷くと、こびりつくことなく、こんがり焼けます」

【テーブルは手づくり】

「パソコンとミシン用のデスクが欲しくて、ベランダの花台を脚に、食器棚の棚板を天板にし、万力ネジで固定して自作しました」。使わなくなったらバラして、元の用途に。

●周りから借りたり逆に貸したり

めったに使わないものなら、親しい友人や親きょうだいに借りるのも手。「子育て期からつき合いが続く近所のママ友とは、今もいろいろなものを融通し合っています」

【ジャムづくりの「ホーロー鍋」は近所のママ友から】

 

めったにしないジャムづくり。「たまたまつくろうと思ったときに、ちょうどいい鍋がなかったので、近所のママ友が貸してくれて助かりました」

【「キャンプ道具」はママ友に積極的に貸し出し】

 

年に数回しか使わないキャンプ道具は、必要な友人がいれば積極的に貸し出し。「ときどき出すことで状態の確認にもなるので一石二鳥です」

10月31日発売の『これからの暮らしvol.3』では、金子由紀子さんを始めとした暮らしの達人のみなさんの「持ちすぎない暮らし」を楽しむ方を紹介しています。ほかにも、50代からのユニクロおしゃれ術や老後のお金の不安解消Q&A、腸活レシピなど内容盛りだくさん。ぜひご覧ください。