これまで家族や誰かのために頑張ってきた50代の女性こそ、ひとり時間を堪能したいもの。50代トップブロガーの中道あんさんは、「50代のひとり時間」を提唱する一人です。どんな風に楽しんでいるのか、その味わい方も含めて教えてもらいました。

50代、「ひとりの時間」の楽しみ方

誰かと一緒に過ごす時間もいいけれど、“ひとり”になって自分と向き合ったり、自分だけの時間を持つことは、私にとっては家族を愛することと同じくらい大事なことです。ひとりでいると「寂しい」というネガティブなイメージをもたれたりしますが、ひとりだからこその「心地よさ」を味わっています。

そんな私のひとり時間の楽しみ方をご紹介します。

 

●ひとりで行く回転ずしは“ゲーム感覚”

朝は6時に目覚ましをかけています。家が仕事場なので、そんなに早く起きる必要はありません。目覚めてから少し布団の中でゴロゴロしたり、Webのニュース記事を読んだり、ちょっとまたウトウトとまどろんでみたり、朝の時間をゆっくり過ごすことは、ちょっとしたぜいたくで気持ちのよいものです。

すっかり目覚めたところで、洗面室におりてフルメイクをし、犬を連れて散歩に行くのが朝のルーティン。私の一日は、温々とした布団でのぜいたくなひとり時間からスタートです。朝は早めに起きて“ひとりの時間”をつくることでポジティブな一日を始めることができます。

用事で出かけて中途半端な時間に小腹がすくことってありませんか? そんな時は、回転ずしを訪れます。まだ夕飯に早い時間だと、人気店でもお客様はまばらなので、普段はせせこましさを感じるカウンター席もゆとりを持って座れるから好きです。
今日あった出来事を思い返したり、これを食べたらどうしようか、などと取り留めもないことを考えながらも、ネタ選びにも余念がありません。大好物のおすしだからこそ失敗したくない気持ちが強い。ただおなかを満たすだけではなく、私にとってはおいしい一貫と出合う“ゲームの感覚”です。つまり、ひとり遊びの場所なのです。新しいネタがヒットだったらこんなに嬉しいことはありません。

●誕生日はひとり温泉旅館でお祝い

今年59歳になりました。「誕生日をひとりで過ごす」なんて寂しさの極みに思われるかもしれませんが、そんなことはありません。私はそのときの自分が、「何をしたいか」を自分に聞いてみてそれを実践しているだけ。この数年、とても満たされた気持ちになっています。
今年は、ちょっとぜいたくに温泉旅館に自分をご招待。何度かお世話になっているお気に入りのお宿でおもてなし力も抜群です。「あぁ自分を大事にしてもらっているなぁ」と感じ、とてもリラックスができましたし、「今日までがんばってきたなぁ、自分」と労わってあげることができました。
たまには家族をおいて自分だけ贅沢をしてみる。誕生日はそれにもってこいの一日です。「ひとり祝い」されてみませんか。

 

●夜更けにひとりで懐かしい映画を鑑賞

週末は好きなビデオをひとりで観る。フリーランサーなので、やることはいくらでもあって仕事とプライベートの境目がありません。だからこそ意識して休みの「きっかけ」をつくっています。それがビデオ鑑賞です。
わが家にはテレビがないので、ノートPCを使っています。夜も更けて、静かな時間を味わいたいときには自分の部屋でのんびりと観ます。ドアを閉めれば自分だけの世界です。

子育てで忙しかった頃は、映画を観にいく時間や経済的ゆとりもありませんでした。だからでしょうか。どうしても10年以上前の映画に目がいってしまいます。
メリル・ストリープとダイアン・キートンのファンで、二人の主演映画を何度も繰り返して観てしまいます。とくに主人公がおひとりさまの『恋するベーカリー』や『恋愛適齢期』『ロンドン、人生はじめます』などハートフルなコメディが好きです。なんだか、昔できなかったことを「ひとりの時間」を使ってプレイバックしているようです。

だらだらしたり、のんびりしたり、遊んだり、自分をもてなしたり、自分だけの時間だからこそ楽しめます。ノートとペンをもってカフェで頭の中を整理するのも「ひとり時間」にしかできないことです。だれとも共有はできないけれど、もうひとりの自分と共有してみてください。

自分への解像度があがって、自分とは何かがわかるきっかけにもなるかもしれませんよ。