TOKYO, JAPAN - NOVEMBER 8:  Seiya Matsubara #59 of the Yomiuri Giants hits an inside-the-park home run in the fourth inning during the Japan All-Star Series game against the MLB All-Stars at the Tokyo Dome on Thursday, November 8, 2018 in Tokyo, Japan. (Photo by Yuki Taguchi/MLB via Getty Images)

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 プロ野球ドラフト会議が20日に都内のホテルで行われ、巨人はかねて公言していた高松商・浅野翔吾外野手(17)を阪神と競合の末、原辰徳監督(64)が当たりクジを引き当てた。

 原監督のこれまでのドラフト抽選成績は1勝11敗。直前までクジを引くことを躊躇するなど、苦手意識は強かった。迎えた運命の日。スーツ、ネクタイ、靴まで新調。ドラフト会場に向かう際の道順もいつもとは違うルートにするなど、様々な「ゲン担ぎ」を行った上で、当たりクジを引き当てると、嬉しさのあまりガッツポーズを繰り返した。

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 高校生のドラ1野手は岡本和以来、外野手では球団史上初となる。高校通算68発を誇り俊足、強肩と走攻守に優れた選手として知られる浅野に対して原監督は「期待をかけすぎるとね」と前置きしながら、「岡本、浅野というクリーンアップが打てるようになれば1番いい」とキッパリ。育成に慎重に取り組んでいく姿勢を示しながら、近い将来の和製クリーンアップ形成を夢見た。

 一方、チームでは大型外野手の加入によってピンチを迎える選手もいる。

 「高卒外野手を史上初めて獲ったということはそのポジションを埋める選手がいないということ。かぶる選手は来季、相当危機感を持たないといけないでしょう」(球界関係者)

 今季外野手の布陣は中堅の丸を中心に、右翼、左翼はポランコ、ウォーカーが多く出場を果たした。守備に不安のある両助っ人に目をつぶって起用したのも裏を返せば、攻守に安定した力を発揮できる外野手がいなかったことになる。

 残念な結果に終わったのはFA移籍2年目シーズンの梶谷もあたる。昨年も故障などで61試合の出場にとどまったが、巻返しを誓った今季は5月に左ひざの手術を行うなど、結局1試合も出場できないままに終了した。昨季終盤に椎間板ヘルニアの手術を行うなど、正に満身創痍の状態とあって、残り2年契約を残すも安定したパフォーマンスができるか、不安視されている。

 さらに厳しい目を向けられているのは「育成の星」、松原にもある。21年シーズンは135試合に出場し、27試合連続安打記録を作るなどブレイク。今季から亀井コーチがつけていた背番号「9」をつけるなど更なる飛躍が期待されるも、今季は50試合に出場、打率・113、0本塁打、4打点に終わった。

 松原不調の背景にはこんな声もささやかれている。

 「調子がいいときは打撃において積極性がいい形で結果につながったが、今季は何でも手を出すとして、打席の淡泊さが問題視された。課題とされた選球眼が改善されず、結果として松原本人に迷いが生じてしまっている」(同)

 ほかにも外野手では15年2位指名を受けながら近年は伸び悩んでいる重信、プロ11年目を迎えた石川、8年目を迎えた八百板らもいる。浅野加入によって、レギュラー争いが激化することは避けられない。

 果たして浅野加入は今季5年ぶりのBクラスに沈んだチームにどんな「化学反応」をもたらすのか。目の色が変わる選手が増えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]