花巻東・佐々木、大阪桐蔭・前田、「朗希世代」に逸材揃い 来年は“豊作”ドラフト
報徳学園の堀柊那捕手はすでに12球団が注視
2022年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が終了し、支配下69人、育成57人が指名を受けた。一足早く、2023年のドラフト候補を紹介したい。花巻東(岩手)のスラッガー・佐々木麟太郎内野手や大阪桐蔭・前田悠伍投手らすでに下級生から甲子園を沸かせた選手や、まだ“全国区”ではないが、報徳学園の堀柊那捕手はすでに12球団が注視する。高校生だけでなく、大学、社会人にも逸材がおり、“豊作”を予感させる。
高校No1スラッガーの呼び声高い花巻東の佐々木麟太郎内野手が人気の筆頭になるだろう。高校入学直後から本塁打を量産し、昨年11月には明治神宮大会で全国デビュー。今春の選抜大会にも出場した。新チームでは主将を務め、秋季岩手大会を優勝。東北大会に出場したが、鶴岡東(山形)に2回戦で敗れている。その時点で高校通算90本塁打をマーク。どこまで本塁打記録を伸ばすかも注目だ。
佐々木とともに下級生の頃から注目を集めているのが、広陵(広島)の真鍋慧内野手と九州国際大付(福岡)の佐倉侠史朗内野手。共に一発長打が魅力の左打者で、すでに甲子園デビューを果たしている。真鍋はメジャーを代表する打者、バリー・ボンズ氏のような豪快な打撃が持ち味で「広陵のボンズ」の異名を取るスラッガー。佐倉は182センチ、104キロの大型選手。こちらも左の長距離砲として、ヤクルト・村上宗隆内野手のような打者に育ってほしいところだ。
世代“No1”投手として注目されるのが大阪桐蔭の前田悠伍投手だ。最速148キロの直球を投げ込み、スライダー、チェンジアップの切れも抜群。1年秋からエース格として活躍する左腕は新チームで主将も務め、今秋の大阪府大会を制した。強肩でプロから注目を集めるのは報徳学園の堀柊那捕手。遠投100メートル、二塁送球1.8秒台をマーク。高校通算11本塁打のパンチ力に50メートル6.1秒の俊足と3拍子揃った万能型捕手だ。すでに12球団のスカウトが注視している。
即戦力も多数、中大・西舘勇陽は3年時から注目の存在
大学では“佐々木朗希世代”が4年生になる。中大の西舘勇陽投手は身長183センチの長身右腕。最速155キロを計測し、スライダー、カーブ、チェンジアップ、ナックルと多彩な変化球も魅力。今春のリーグ戦では9試合に登板し2勝2敗、リーグ2位の防御率1.91をマークした。高校は花巻東で、佐々木と同じ岩手出身。話題性もある。
東洋大・細野晴希投手は最速155キロの本格派左腕。1年秋からベンチ入りし頭角を現わすと、2年春から主戦投手として活躍。スライダー、カット、スプリットで打者を翻弄する。打者では俊足好打の遊撃手としてU18侍ジャパンにも選出された早大・熊田任洋内野手や首都大学野球リーグのスピードスター、日体大・松浦佑星内野手にも注目だ。
社会人ではENEOSの度会隆輝内野手。元ヤクルトの度会博文氏を父に持つ左の強打者。入社1年目からレギュラーを掴み、日本選手権と都市対抗の2大大会を経験。今年の都市対抗では全5試合に出場し打率.429、4本塁打11打点の大活躍でチームを9年ぶり12度目の優勝に導き、橋戸賞、打撃賞、若獅子賞を受賞した。多くの“金の卵”が顔を揃える来年は豊作ドラフトとなりそうだ。(Full-Count編集部)