「こんなネズミ捕りアリ!?」速度標識がないのにスピード違反になってしまう要注意エリアとは
ネズミ捕りは高速道路やバイパス以外でもやってる!
スピード違反車両の取り締まりは通称「ネズミ捕り」と呼ばれます。
高速道路の覆面パトカーや、バイパス沿いに隠れている取り締まり車両などを思い浮かべる人も多く、見るからに危険な速度を出している車を取り締まっているイメージがあります。
高速道路や公道(バイパスなど)は、法定速度が明確に定められていて、それ以上のスピードを出すと速度超過、つまりスピード違反となってしまいます。ですので、ネズミ捕りに遭った際も「ここは60キロだからね」と言われてしまえば、反論の余地がありません。
しかし道路によっては、こうした明確な速度が明示されていないのに、ネズミ捕りに遭うケースがあるようです。
標識に速度が書かれていないのに“スピード違反”?
その例が「徐行」の道路標識がある場所です。
徐行標識には速度が書かれていませんが、特定の交通方法を禁止したり、特定の方法に従って通行するように指定したりする「規制標識」に該当するため、守らないと違反になってしまいます。
違反すると「徐行場所違反」に該当し、普通車では違反点数2点が付加され、7千円の反則金が課されることになるので注意が必要です。
しかし道路交通法によると、徐行とは「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。」と記載されています。つまり時速何キロという記載がなく、具体的な数字が示されていません。
教習所で使われている学科教本でも、徐行の標識の説明欄を見ると「車と路面電車は、徐行しなければなりません。」としか書かれていません。
つまり「具体的に何キロでスピード違反になるかわからない」と言えるのが、「徐行」の標識がある場所といえるでしょう。
さらに注意が必要なのが、標識がなくても徐行しなければならない場所が道路交通法によって定められているということです。
徐行の標識がない場所でもネズミ捕りに遭うかも……
標識がなくても徐行しなければならない場所が道路交通法によって定められている、つまり、徐行標識がない場所でもネズミ捕りに遭う可能性があります。
例えば、「左右の見通しがきかない交差点」は標識がなくても徐行が義務付けられています。ただし、信号機などで交通整理が行われている場合や、優先道路を通行している場合は除きます。
その他には、上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂、道路のまがり角付近などが挙げられます。上り坂の頂上付近は見通しが悪いために徐行となっていますが、まがり角の場合は、見通しに関係なく徐行しなければならないので気をつけてください。
さらに、以下に示したような場合も徐行しなければなりません。
許可を受けて歩行者用道路を通行するとき。 歩行者等の側方通過のときに、安全な間隔がとれないとき。 道路外に出るため、左折、または右折するとき。 停車中の路面電車のそばを通るときで、安全地帯があるとき。また、安全地帯のない停留所で乗降客がなく、1.5メートル以上の間隔があるとき。 交差点で左折、または右折するとき。 交差する道路が優先道路やあきらかに道幅の広いとき。 ぬかるみ、または水たまりの場所を通るとき。 身体障害者、または児童、幼児のそばを通るとき。 歩行者のいる安全地帯のそばを通るとき。 児童、幼児等の乗降のために停車中の通学・通園バスのそばを通るとき。結局“徐行”って何キロ以下?
「徐行は時速10キロ以下」という見解が一般的ですが、どうしてそう言われるのでしょうか?
教習所では具体的な数字が示されていなくとも、「ブレーキを操作してから停止するまでの距離がおおむね1メートル以内となるような速度」 と説明しています。
その際、目安となる速度を、だいたい時速10キロ以下と指導しています。これにより、世間では「徐行とは時速10キロ以下の速度である」という認識が定着しているのです。ちなみに、時速5キロ以下は「最徐行」などと言ったりもしています。
つまり、徐行の標識が立てられている場所や、上に挙げた徐行が必要な場所では、ブレーキを踏んでから1メートル以内に停止できる速度=時速10キロ以下で走行すべきでしょう。
いずれも、周囲の安全を確認する必要がある場所が該当しますので、いつでも止まれる速度で走行すべきです。道路状況を見極めつつ、「危険があればすぐに止まれるように」という気持ちを持って運転することが大切ですね。