街を走るミキサー車のドラムはいつもぐるぐる回っています。運ぶものは、コンクリートだけではありません。

ミキサー車のドラムはなぜ回っているのか

 街で見かけるミキサー車は、いつも後部のドラムがぐるぐると回っています。


ミキサー車(画像:写真AC)。

 ミキサー車が運ぶのは生コンクリートと呼ばれるもの。コンクリートはセメントや砂、砂利、水などを混ぜて作り、回転するドラムのなかで攪拌しながら運んでいます。こうしないと材料が分離してしまうのです。

 このため、ミキサー車はエンジンから動力を得て、生コンを運んでいるあいだ、絶えず回り続けています。時間が経つと材料が固まるため、荷物を下ろしたら、すぐに車両の水タンクの水でドラム内を洗うのが基本だそう。

 ドラムの回転数は多くの場合は1分間に1.5回転ほどですが、13回転と高速で回すこともあります。前者は、工場でつくられたコンクリートを運ぶ場合。対して高速回転させるのは、ドラムのなかで材料を入れてコンクリートを製造する場合です。

 実はこの違いで、クルマとしての呼び方も厳密には異なってきます。「ミキサー車」は本来、“生コンを製造するクルマ”を指し、既成のコンクリートを攪拌しながら運搬するクルマは「アジテータ車」と呼ばれますが、一般的にはあまり区別されていないようです。

 ちなみに、ミキサー車はコンクリート運搬以外の役割を担うことも。ミキサー車の事業者や団体が、自治体や消防と連携し、火災や災害などの際に水だけを運ぶ体制を築いているケースもあります。