掘削率91%! 浜松〜飯田の短絡路「青崩峠トンネル」工事は佳境へ ″未通の酷道″つなぐ
浜松と飯田が「まともな道路」で繋がるようになります。
浜松から北へ抜けるルート
工事が進む青崩トンネル(画像:国土交通省)。
静岡県・愛知県と長野県南部の飯田地方を短絡し、新東名と中央道をつなぐ「三遠南信道」。その計画ルートのうち、長野・静岡県境の「青崩峠」で進むトンネル工事が、大詰めを迎えつつあります。
国土交通省 飯田国道事務所は2022年9月6日(火)、「青崩トンネル」の掘削率が91%に達したと発表。全長4998mの長大トンネルは南北の坑口からそれぞれ掘進し、2019年の起工から3年を経て、貫通の時が近づいています。
巨大な断層である中央構造線の谷間を縫うように、静岡県浜松市と長野県上田市をむすぶ国道152号。浜松から北上して最初に行く手を阻む難所がこの青崩峠です。国道区間は完全に登山道状態で、自動車は通行不可。東側に兵越峠を抜ける山道が迂回路となっています。
三遠南信道は、飯田市から伊那山地を抜けるルートが部分開通済み。トンネルで山道をショートカットすることで、旧上村のアクセスは向上しましたが、そこから南へ抜けるルートはまだ整備が進んでいませんでした。青崩トンネルが開通することで、飯田〜浜松では「過酷な峠越え」が解消されることになります。
青崩峠を高規格道路でバイパスする計画は過去にもありましたが、東側に迂回するルートのうち、南側に「草木トンネル」を開通させたところで、断層帯などの問題に阻まれて頓挫。「幻の高速道路」として兵越峠ルート上に残っています。
ところで、青崩トンネルの全長は4998m。ギリギリ5000mにならない長さで設計されています。このような例は新名神の箕面トンネル(4997m)、中部横断道の樽峠トンネル(4999m)など各地で見ることができます。