豪華設備「空飛ぶホワイトハウス」32歳に 米政府専用機「エアフォースワン」引き渡し-1990.8.23
母機となった747-200B旅客機、日本ではいまや“過去のモノ”です。
寝室やシャワー室なども
1990年8月23日は、米大統領専用機「エアフォースワン」として広く知られている、アメリカ空軍所属の航空機「VC-25A」の初号機「28000」が、引き渡された日です。
「VC-25A」(画像:アメリカ空軍)。
「VC-25A」はボーイング707ベースの「VC-137C」の後継機として配備され、2機が運用されています。母機となったのは、日本でも「クラシック・ジャンボ」として知られ、JAL(日本航空)やANA(全日空)でも使用されていた旅客機、ボーイング747-200B。VC-25Aが初めて「エア フォース ワン」として飛行したのは、引き渡しから2週間後の9月6日で、当時の大統領、ジョージ・ブッシュ氏を乗せています。
「VC-25A」の機内は、執務室や会議室、寝室やシャワー室なども備え「空飛ぶホワイトハウス」とも称されます。また、一度に最大100食を提供できるギャレー(簡易キッチン)、6つの化粧室なども備え、大統領補佐官をはじめ上級スタッフ用のオフィス、手術も可能な医務室なども設置されています。
また機体には、空対空、空対地、衛星通信に対応した多周波無線機が搭載されているほか、核攻撃発生時にも通信を確保できるよう、電磁パルス対策をするなど、運航に関する設備も特別なものとなっています。
ただ現在「VC-25A」は経年化が進んでいることから、ボーイング747シリーズの最新世代機「747-8」を母機とする後継機「VC-25B」の開発が進行中。現状では「VC-25B」は2026年以降にデビューが予定されており、「VC-25A」と置き換えられる予定です。