「なぜ渋滞中にわざわざ車線規制をするの?」との問いにNEXCOがSNSで取り組みを説明。中央道上り線の渋滞で、「トイレのための車線規制」を行っていることを明かしました。

談合坂ならでは? トイレのための車線規制

【問】渋滞しているのに、なぜ車線規制をしているの?
【答】渋滞時に、ひとりでも多くのお客さまにトイレ休憩していただくため。
 
 NEXCO中日本八王子支社が2022年8月18日、ツイッターでこのような取り組みを発信しました。


中央道上り線 小仏トンネルを先頭とした渋滞。この渦中で談合坂SA付近にて車線規制を行うことがある(ドラレコ画像)。

 これは、中央道 談合坂SA付近の上り線で行われる車線規制の事例を紹介したもの。中央道の上り線といえば、週末の午後を中心に、東京と神奈川の境にある小仏トンネルを先頭とした渋滞が発生します。この渋滞が、談合坂SA付近まで達する場合に、本線の一部をあえて規制している、というのです。

「SNSで紹介したのは初めてかもしれない」(NEXCO中日本八王子支社)というこの規制、どのようなものでしょうか。

 規制は、渋滞が談合坂SA付近まで達した際に、SAの入口ランプと出口ランプのあいだの左側車線(第一走行車線)を閉鎖するというもの。これにより、SA利用後のクルマをスムーズに本線へ流すことに主眼が置かれています。

 というのも、規制をしないと、「SAから出たいのに出られないクルマ」で駐車場が埋まってしまうためだそう。SA駐車場の回転率を向上させることが、本線含め「全体の流れをよくする」とことにつながるのだそうです。

「この取り組みは2009(平成21)年から行っています。SA利用後に本線へ出るまでに、ひどいときで60分かかるというお声もいただいていました。入れない・出られない状態を解消するために始めました」(NEXCO中日本八王子支社)

 以来、週末や繁忙期などは、あらかじめ規制の準備をしており、交通量や渋滞の延び具合を見ながら判断しているのだそう。なお、小仏トンネルから談合坂SAまでは、おおよそ「18km」とのこと。交通情報で流れる渋滞の長さから、“談合坂SA付近の左車線が規制されているかもしれない”と判断できるかもしれません。

 SA内では、交通誘導員を配置し、空き駐車マスへスムーズに入れるようにしているといいます。ただ、利用者の目的はトイレだけでなく食事など様々であるため、「速やかに出て」といった声がけなどは行っていないということです。