国内「標高の高い空港」TOP5はどこなのか 離着陸はパイロット目線&乗客目線でどう変わる?
意外とデッカイ空港もありますが、景色見ると「なるほど」となります!
断トツ標高の「松本空港」
日本には、100弱の空港・飛行場があります。多くの空港は平野部や海岸近くにあることが多い印象ですが、なかには高地に位置するものも。日本で高い場所にある空港はどこで、どれくらいの高さにあるのでしょうか。
松本空港(乗りものニュース編集部撮影)。
日本で航空会社が定期便を運航している空港のなかで、もっとも高い場所にあるのは、長野県の松本空港です。標高657mに位置し、この数値は日本では断トツです。同空港も「日本で一番空に近い空港」をアピールしています。ここには、JAL(日本航空)グループ、そして静岡県に本拠を構えるFDA(フジドリームエアラインズ)が定期便を運航しています。
それに次ぐのは、福島空港。郡山市から南へ直線距離にして約18km、須賀川市と玉川村にまたがる丘陵地に位置し、その標高は372mです。また、『ウルトラマン』の生みの親である特撮監督、円谷英二氏が須賀川市(旧須賀川町)出身であることにちなんで、空港じゅうにウルトラマンの立像などが飾ってあるのが特徴です。なお、平時の利用者は決して多いとはいえませんが、東日本大震災では救援物資などを運び込む拠点となるなど、重要な役割を果たしたこともあります。
3位以降には大空港も? 離着陸はどんな感じ?
3位となったのは、広島空港で、標高331m。中国地方で最多の利用者を持つ空港で、三原市の起伏の激しい地形のなかにあります。そのため、滑走路に西側の進入灯が、もともとの地形のまま対応するため橋のようになっているなど、国内の空港のなかでは比較的ユニークなつくりをしています。
それに続く4位は鹿児島空港で、標高271m。東に霧島連峰、南に桜島が眺望できる十三塚原の台地にあり、天候によっては滑走路のすぐ上に雲が浮かんでいるシーンなどが見られます。5位は岡山空港がランクインし、その標高は246mとなっています。
鹿児島空港を離陸するJAC機(乗りものニュース編集部撮影)。
空港の標高が高いことは、出発する飛行機にとっても影響があります。標高が上がれば上がるほど、空気(酸素)が薄くなることから、標高が低い場所と比べ揚力が減少するほか、エンジンパワーが出にくくなるなど、いわゆる「離陸性能」が下がるそう。これにより、標高が高い空港では離陸するときの滑走距離が長くなるなどの影響があるといいます。もちろん、パイロットは事前にそれを計算のうえフライトに臨んでいるので、安全上全く問題はありません。
ちなみに、松本空港などは、その標高もさることながら、四方をさらに3000m級の山に囲まれており、2020年以前は着陸設備も整っていなかったため、一部からは「日本一着陸が難しい空港」とも評されていたそうです。
その一方で、客室からは雲の位置が低い、囲まれた山のあいだをぬうように着陸する様子を見ることもできます。松本空港への着陸を体験した旅客からは、「神々しい」「まるで遊覧飛行のようだった」といった声も聞かれることもありました。