国道20号「八王子南バイパス」の工事で町田街道に架かる高架橋の架設が完了しました。その先の高尾山ICに通じるトンネル部の開通から12年、東京〜八王子の一大バイパス工事はどこまで進んだのでしょうか。

町田街道をまたいだ! 「八王子南バイパス」

 国土交通省 相武国道事務所が2022年6月28日と8月2日の2夜間に分け、国道20号「八王子南バイパス」の高架橋を架設する工事を実施。八王子市西部を南北に貫く町田街道の上に、上下線別の巨大な橋が架かりました。


町田街道に架設された八王子南バイパスの橋桁。下り線側架設前日の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 この八王子南バイパス、将来的に国立市から圏央道の高尾山ICまでを結ぶ20km近い国道20号バイパス群の一部になります。これらは現在、どうなっているのでしょうか。

 現在、国道20号は国立市の国立インター入口交差点から「日野バイパス」を経由し、八王子市内で旧来の国道20号と合流する線形になっています。いま整備しているのは、その日野バイパスの中間部分から分岐して、高尾山ICまでをつなぐ区間。次のような計画となっています。

・日野バイパス延伸部:3.8km
・日野バイパス延伸部(II期):1.5km
・八王子南バイパス1工区:2.0km
・八王子南バイパス2工区:2.5km
・八王子南バイパス3工区:2.5km
・八王子南バイパス4工区:2.6km(2010年開通済)

 先般架かった高架橋は、このうち八王子南バイパス3工区と4工区をつなぐもの。高架橋から、4工区の大部分を占める「浅川トンネル」に直結し、高尾山ICへ通じる線形となります。

 未開通部のうち、開通見込みが示されているのは八王子南バイパス3工区、都道八王子城山線から町田街道までの2.5kmで、今後5年程度で開通する見込みです。ここが開通すれば、京王線のめじろ台駅や、横浜線の八王子みなみ野駅付近から、高尾山ICへと直結できるようになります。

 また、日野バイパス延伸部(II期)から西は、ほとんどの主要道路と橋やトンネルで立体交差する計画であることから、将来的には中央道のバイパス的な役割を果たせるかもしれません。

 さらに日野バイパスの東京側と東八道路をつなぐ区間も建設中で、これが全てできると、杉並区内から高尾山ICまで、多摩地区を縦断する壮大なバイパス「東京八王子線」が完成します。戦後まもなく都市計画決定された道路は、少しずつ、完成へ向け歩を進めています。