楽天ガールズのYuhiさん(左)と、邱紫庭(チォウ・ズーティン)さん【写真:球団提供】

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台湾プロ野球の楽天が「きつねダンス」をお披露目

 日本ハムが札幌ドームで披露している「きつねダンス」の人気が、ついに海を越えた。台湾プロ野球(CPBL)の楽天モンキーズが5日、本拠地の桃園球場で行われた味全ドラゴンズ戦で初披露。真っ赤な衣装のチアリーダー「楽天ガールズ」が見せた“フリフリ”ダンスにファンは大喝采を送った。導入を決めた担当者、さらに踊ったチアもその不思議な魅力を口々に伝えている。

「きつねダンス」の導入をを決めたのは、楽天モンキーズでチアマネージャーを務める陳元凱(チェン・ユエンカイ)さんだ。陳さんは普段から日本の野球をよく見ており、楽天モンキーズの前身、ラミゴモンキーズに所属していた王柏融外野手がプレーしている日本ハムの試合を見て「きつねダンス」を知った。

「面白いと思って見ていましたが、日本でとても流行っていてびっくりしました。モンキーズの選手やファンが、姉妹チームの楽天イーグルスだけでなく、王選手が所属する日本ハムに注目していることもあり、モンキーズでもやってみたいと思いました。日本ハムに相談したところ、快諾いただいた上に、きつねの耳を台湾に送ってくださいました。本当に嬉しいです」

 陳さんは、さまざまな楽天ガールズのダンスを考案しているが、動作に特徴があり、観客も踊れるダンスを取り入れるようにしている。「きつねダンス」は、その要素を含んでおり、台湾のファンからも好評を得た。

「覚えやすく、観客の皆さんも一緒に楽しむことができて、音楽のリズムもいい。応援ダンスとして最適だと思います。楽天ガールズの赤い衣装ときつねの耳がかわいくて、モンキーズのファンの皆さんも大絶賛でした」

真っ赤な衣装と日本ハムから送られた「きつねの耳」が大人気

 実際に「きつねダンス」を踊った楽天ガールズ副キャプテンのYuhiさんは「きつねダンス」が日本で人気になっているのを知っていたという。

「普段からさまざまな応援ダンスをYouTubeで検索しているので『きつねダンス』は知っていました。リピートの動作が多いので覚えやすかったです。観客の方たちと踊ることができ、球場の雰囲気がとてもよくなりました。楽しくて『きつねダンス』に熱中してしまい、次のダンスを忘れてしまいました」

 楽天ガールズになって2年目の邱紫庭(チォウ・ズーティン)さんも「たくさんのファンと踊ることができてとても楽しかった」と、お披露目を終えた感想を口にした。

「楽天イーグルスの宋家豪投手など、台湾人選手が日本でも活躍していますし、台湾でもパ・リーグの試合が見られるので、台湾の野球ファンは『きつねダンス』を知っている人が多いです。1時間くらいみんなで練習して、その後は各自で練習しましたが、シンプルなので覚えやすく、ファンの皆さんも一緒にダンスをしてくれるので盛り上がりました」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本と台湾を行き来することが難しい状況が続いているが、陳さんは、楽天ガールズにぜひ注目してほしいと話す。「台湾では、チアはアイドルや芸能人としても活動しており、さまざまな演出や応援などでファンの皆さんを楽しませることができます。スタジアム以外のところにも多くのファンがいて、選手と同じくらい魅力があります。ぜひ、楽天ガールズに会いに台湾に来てください」

 日本ハムが台湾にきつねの耳を送るという“粋な計らい”もあり、注目を集める楽天ガールズの「きつねダンス」。新たな日台交流のきっかけとなり、両国の球場に足を運ぶファンが増えることを期待したい。(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)