100円稼ぐのに約2.2万円… JR東日本が赤字35線区を公表 東京近郊でも危うし
西日本に続き、開示されました……。
特に厳しい陸羽東線の鳴子温泉〜最上
陸羽東線を走るキハ110系気動車(画像:写真AC)。
JR東日本が、管内のローカル線35線区66区間の経営状況を発表しました。
今回は輸送密度(1日あたりの平均通過人員)が2000人未満の線区について取りまとめられました。その中には内房線(館山〜安房鴨川)や鹿島線(香取〜鹿島サッカースタジアム)といった東京近郊の電化路線も含まれています。
100円の営業収入を得るのに、どれだけの営業費用を要するかを表す「営業係数」が最も高かったのは、陸羽東線の鳴子温泉〜最上間で、2020年度は「2万2149」と突出していました。次いで磐越西線の野沢〜津川間で「1万7706」。いずれも東北地方の山間の路線です。
そして、東京近郊で最も営業係数が高かったのが、房総半島中ほどに路線がある久留里線です。特に末端区間、久留里〜上総亀山間は「1万7074」。東京駅からも快速電車を使えば2時間ほどで到達できる近場のローカル線として知られますが、実態は厳しいもののようです。
JR東日本は今回、「地域の方々に現状をご理解いただくととともに、持続可能な交通体系について建設的な議論をさせていただくために」経営状況を開示したといいます。同時に「地方交通線をはじめとする鉄道のご利用状況については、昨今の環境の変化とともに大きく減少しており、各路線の経営状況は厳しさを増している」とし、鉄道の在り方や取り巻く環境を重要な経営課題として認識しているといいます。