引っ越し業者の段ボールに「白」が増えた意外な理由とは?
引っ越し屋の段ボールの色が茶色ではなく白が増えていたり、緑茶のパッケージに赤色が使われていたり…これらの日常の中でよく目にする色には、実は理由がある。
人が五感を使って認識する情報の8割は視覚から得ているのだという。そして、視覚情報のうち8割以上は色の情報だ。色にはそれぞれが持つ心理効果があり、身の周りにある色に、私たちは実は無意識のうちに操られているとも言える。
■引越し業者の段ボールが白いワケ
『心理学×物理学×色彩学の研究でわかった! なるほど「色」の心理学』(都外川八恵著、総合法令出版刊)では、色の秘密や、知らぬ間に誘導されていた身近な色彩効果を紹介。心理学的な効果を含んだ、身の周りに潜む「色」の雑学を80項目収録する。
昨今の引っ越し業者の段ボールが、茶色から白色に変わっていることに気づいた人はいないだろうか。これには実は理由がある。色の中でも白は最も軽さを感じさせ、黒は最も重さを感じさせる色。これは色の明度によって重量感まで違って見える現象で、色の「軽重感」と言う。
見た目だけでも軽さを感じさせることで、引っ越し業者の疲労感の軽減と作業効率アップを狙った結果、段ボールの色が白になっているのだという。
緑茶のパッケージにはグリーン系の色相が多く使われているが、それ以外に必ずと言っていいほどよく組み合わせられているのが「赤」だ。緑と赤は、ほぼ明度が一緒で「補色」にあたる関係だが、明度が近い逆の色相の色をあえて少し入れることで、お互いの彩度を引き立て、より鮮やかに見せる効果がある。緑茶のパッケージに赤を入れることで緑の色相をより鮮やかに、かつ艶やかに見せているということだ。他にも、グリーンサラダにトマトを添えると緑の野菜がより鮮やかに見えるのも同じ効果。
ただし、明度が近い補色同士を組み合わせると、途端にケンカになる。お互いの彩度を強め合いすぎて、ギラギラ見えるハレーションが起きてしまう。なので、明度が近い補色同士を組み合わせる場合には、どちらかの色の彩度を抑えたり、面積の差がつくように工夫したり、色と色の間に距離を空けたり、別の色を挿入したりするなどの工夫が必要なのだという。
モノにその色が使われるには、それぞれの色に理由や意味、役割や効果がある。なぜこの色の組み合わせなのか?と、日頃なんとなく見ているモノの色の理由を考えてみるのも面白いだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
【関連記事】
現代生活に必須 レアメタルが高騰する理由
【「本が好き!」レビュー】『傑作はまだ』瀬尾まいこ著
人が五感を使って認識する情報の8割は視覚から得ているのだという。そして、視覚情報のうち8割以上は色の情報だ。色にはそれぞれが持つ心理効果があり、身の周りにある色に、私たちは実は無意識のうちに操られているとも言える。
『心理学×物理学×色彩学の研究でわかった! なるほど「色」の心理学』(都外川八恵著、総合法令出版刊)では、色の秘密や、知らぬ間に誘導されていた身近な色彩効果を紹介。心理学的な効果を含んだ、身の周りに潜む「色」の雑学を80項目収録する。
昨今の引っ越し業者の段ボールが、茶色から白色に変わっていることに気づいた人はいないだろうか。これには実は理由がある。色の中でも白は最も軽さを感じさせ、黒は最も重さを感じさせる色。これは色の明度によって重量感まで違って見える現象で、色の「軽重感」と言う。
見た目だけでも軽さを感じさせることで、引っ越し業者の疲労感の軽減と作業効率アップを狙った結果、段ボールの色が白になっているのだという。
緑茶のパッケージにはグリーン系の色相が多く使われているが、それ以外に必ずと言っていいほどよく組み合わせられているのが「赤」だ。緑と赤は、ほぼ明度が一緒で「補色」にあたる関係だが、明度が近い逆の色相の色をあえて少し入れることで、お互いの彩度を引き立て、より鮮やかに見せる効果がある。緑茶のパッケージに赤を入れることで緑の色相をより鮮やかに、かつ艶やかに見せているということだ。他にも、グリーンサラダにトマトを添えると緑の野菜がより鮮やかに見えるのも同じ効果。
ただし、明度が近い補色同士を組み合わせると、途端にケンカになる。お互いの彩度を強め合いすぎて、ギラギラ見えるハレーションが起きてしまう。なので、明度が近い補色同士を組み合わせる場合には、どちらかの色の彩度を抑えたり、面積の差がつくように工夫したり、色と色の間に距離を空けたり、別の色を挿入したりするなどの工夫が必要なのだという。
モノにその色が使われるには、それぞれの色に理由や意味、役割や効果がある。なぜこの色の組み合わせなのか?と、日頃なんとなく見ているモノの色の理由を考えてみるのも面白いだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
【関連記事】
現代生活に必須 レアメタルが高騰する理由
【「本が好き!」レビュー】『傑作はまだ』瀬尾まいこ著