「電気を運ぶ船」の大型蓄電池工場を建設へ 日本最大級 岡山“造船の街”の新産業に
工場というより美術館!?
電気を運ぶ船の蓄電池工場
「電気を運ぶ船」の実現を目指すベンチャー、株式会社パワーエックス(PowerX、東京都港区)は2022年6月23日(木)、岡山県玉野市に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設すると発表しました。
電気運搬船「Power ARK100」のイメージ(画像:PowerX)。
パワーエックスは洋上風力などによる電力を、海底ケーブルで送電する代わりに、コンテナ型の蓄電池に電気を貯めて需要地まで船で運ぶことを計画しています。工場では定置用蓄電池やEV急速充電器、船舶電池、家庭用蓄電池を開発し、2023年からテスト生産、2024年春から年間出荷を開始する予定です。
工場は約2万8272平方メートルで、「金沢21世紀美術館」や、ルーヴル美術館別館「ルーヴル・ランス」などを手がけた建築家の妹島和世さんが設計。蓄電池生産ライン以外に研究開発センター、オフィススペースなども設置されます。数年計画で百数人の雇用創出が見込まれているとのこと。
建設地の岡山県玉野市は瀬戸内海に面した港町であり造船の街です。地震などの災害が少なく、水深の深い宇野港を有し、造船の街としての技術における人材確保が期待できるといいます。建設場所は宇野港からほど近い、運河に面したところだそうです。
なお、パワーXは5月に41.5億円の資金調達を発表しましたが、その資金を今回の工場に活用するといいます。