ランニングはダイエットに効く?効果的な有酸素運動と無酸素運動のおすすめ!
薄着になる夏に向けて、体型が気になり始めている人も多いのではないでしょうか。
食事習慣の改善に加えて、筋トレやランニングなどの運動が不可欠だと分かってはいるものの、何から始めれば良いのか悩むもの。より効率的にダイエットにつなげるには、どのようなことに注意して運動に取り組むと良いのでしょうか。
今回は、姿勢改善専門パーソナルトレーニングジム「ウィンゲート パルス」のランニングパーソナルトレーナーである齋藤大輔さんにインタビュー。
運動の効果を高めるために知っておきたい有酸素運動と無酸素運動の違いやそれぞれの特徴について、ポイントを絞って解説。効率的に理想的な体をつくるために、押さえておきたい知識や運動方法を紹介します。
株式会社ウィンゲート 齋藤大輔
鍼灸マッサージ師の資格を取得後、独学でトレーニングを学ぶ。School of movementの朝倉全紀氏の「ムーブメントファンダメンタルズ」から大きく影響を受け、ストレングストレーナーとしても活動。2018年よりメディカルとフィジカルの両方の観点から女子100mハードルの寺田明日香選手のサポートを始め、目標であった東京大会の出場を果たす。現在は、板橋区志村3丁目にある「ウィンゲートトレーニングセンター」で、一般の方から市民ランナーや実業団所属ランナー、陸上短距離選手、マウンテンバイク、実業団柔道選手、スノーボード(アルペン競技)日本代表など、幅広いカテゴリーのクライアントを指導。
ランニングやダイエットを始める前に知っておきたい!有酸素運動と無酸素運動
ダイエットを目的とする人にとって、適度な運動は必要不可欠。では、より効率的に運動の効果を得ながら目的を達成するためには、どのような方法が最適なのでしょうか。
それを知るヒントは、「有酸素運動」と「無酸素運動」にあります。
ダイエット効果を発揮するためには、有酸素運動と無酸素運動をバランス良く取り入れることや、適度な強度や順番、運動を実施するタイミングなどを考慮しながら行うことがポイント。
有酸素運動と無酸素運動それぞれの特性を押さえ、適切な組み合わせで実践することが近道になります。
有酸素運動とは?ダイエット効果とおすすめの時間
有酸素運動とは、酸素をエネルギーとして消費する運動のことで、軽~中程度の負荷を継続的にかける運動を指します。
具体的には、運動強度別にパワーの出し方を3段階に分けて表すハイパワー、ミドルパワー、ローパワーという考え方があるのですが、主にローパワーの部分に該当します。
運動を始めて3分まで力を持続できるのがミドルパワーであり、その時間を超えて長時間にわたって運動するのがローパワーです。
有酸素運動のダイエット効果
ダイエット効果を期待するなら、ローパワーで20分以上運動を続けることがおすすめです。
運動開始から20分を経過すると、使用するエネルギー源がグリコーゲンから脂質に変わり、体内に蓄えられた脂肪がエネルギー源として使用される状態になるため、脂肪燃焼効果が高まります。
有酸素運動におすすめの時間
有酸素運動を行うタイミングとしては、食後1時間が目安になります。
体内では、食事から1時間後に血糖値がピークになるため、このタイミングで適度な運動をすることにより、急激な血糖値の上昇や中性脂肪値を抑える効果が期待できるのです。
また食後すぐのタイミングでは、消化を助けるために胃や腸に血流が集中しています。
そのため、食後すぐに運動をしてしまうと血流が筋肉に集中することにより、消化を妨げてしまう恐れも。食べた後に走るとお腹が痛くなるのもそういった要因が考えられます。
加えて、空腹時も運動は避けたほうが良いでしょう。血糖値が下がっている空腹状態で運動することは非効率的であり、めまいや貧血などを引き起こすリスクも高まります。
【代表的な有酸素運動】
室内:エアロビクスダンス・エアロバイク・ステップエクササイズ・ヨガ など プール:水泳・アクアビクス・アクアウォーキング など 屋外:ランニング・ウォーキング・サイクリング など無酸素運動とは?ダイエット効果
主にローパワーに相応する有酸素運動に対し、ハイパワーやミドルパワーに象徴されるのが無酸素運動です。
無酸素運動は、短い時間で大きな力を必要とする強度の高い運動のことで、代表的な無酸素運動としてはウエイトトレーニングやダッシュなどが挙げられます。
糖をエネルギー源として筋肉を動かし、運動する際は酸素を取り入れずに行います。
無酸素運動のダイエット効果
無酸素運動の場合、脂肪を燃焼させる効果はあまり期待できません。一方で、筋肉を付けたり強化したりすることによって基礎代謝が上がり、エネルギーを消費しやすい体をつくるという点では、非常に効力を発揮します。
太りにくく痩せやすい体を実現し、リバウンドしにくい体をつくる際に最適な運動方法です。
無酸素運動におすすめの時間
なお、スクワット、ウエイトトレーニングなどの筋力トレーニングは夕方に行うと効果的と言われています。
【代表的な無酸素運動】
スクワット 腹筋 背筋 ウエイトトレーニング など効率的なダイエットを実践!有酸素運動と無酸素運動の組み合わせを意識しよう
効率的に脂肪を燃焼させ、より早くダイエットの効果を実感するためには、有酸素運動と無酸素運動のどちらも大切です。
高強度と低強度の運動を交互に取り入れる
有酸素運動と無酸素運動を組み合わせた効果的な運動方法としては、HIIT(ヒット/ヒート)というインターバルトレーニングがあります。
HIITというのは、「High-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」のこと。
高強度のトレーニングと負荷の低い運動、インターバルを組み合わせて筋トレ、有酸素運動、休憩のサイクルを繰り返し行うトレーニング方法です。
有酸素運動と無酸素運動の順番を意識して効果を上げる
通常人間の体は、強度の高い運動の後、EPOC(運動後過剰酸素消費)という状態に陥ります。
これは筋トレなどの無酸素運動をした後、酸素不足の状態になった体が回復しようと酸素の摂取・消費が増え、代謝が高まることでカロリーの燃焼効果が高まった状態が継続する現象のことです。
消費カロリーが高まると同時に、脂肪減少、筋肉量アップによる基礎代謝の向上など、さまざまな効果が期待できます。
HIITでは、無酸素運動である筋トレの後に有酸素運動を組み合わせてEPOCを促すことで、より脂肪燃焼効果が高まり、短期集中でダイエットの目的達成を目指すことができます。
筋トレ後の有酸素運動なら、さらにパフォーマンス向上
さらに、無酸素運動をしてから有酸素運動をすることで、ランニング自体のパフォーマンスを上げることができるというエビデンスもあります。
具体的にランニングのパフォーマンスが上がるというのは、疲れにくくなる、長く走れる、速く走れるという状態です。
ランニングのパフォーマンスが上がることで、ランニングから得られる恩恵、メリットをより効率的に享受できるようになる可能性も高まります。
ダイエットにおすすめ!有酸素運動と無酸素運動の組み合わせ例
ここからは具体的に、どのような運動を行うと良いかについて解説していきます。
無酸素運動ではスクワット、有酸素運動ではランニングについてポイントを解説。
特に、無酸素運動のスクワットは姿勢が大切になります。
OKな姿勢、NGな姿勢に分けて動きを紹介するので、腕や足の位置を確認しながら行ってみましょう。
【無酸素運動】スクワット
スクワットは1セット8~10回程度。限界まで負荷をかけて行います。
スクワットはお尻と太ももの筋肉に効果があり、これらの大きな筋肉を鍛えることで代謝が上がり、消費カロリーが増えるのでおすすめです。
■初心者スクワット(初心者用)つま先の上に膝がくるように椅子に着席。両手を地面と並行に前に出した状態で椅子の座面から立ち上がり、着席するという動作を繰り返します。
お尻を後ろに突き出すようにして膝を曲げ伸ばしするのがポイント。
最初は、ポールなどの支えを使用しながら行うのもおすすめです。
■ノーマルスクワット(初心者用)足は肩幅に開きます。つま先はやや外に向けて、股関節を曲げてお尻を後ろに突き出すようにしながら膝を曲げます。
このとき、お尻がそのまま下がってしまい、膝が前に出ないようにしましょう。
また、ガニ股、背中の曲がり、かかと重心にならないように注意が必要です。
■オーバーヘッドスクワット(中級者用)両手を上に上げ、バンザイをした状態でスクワットをします。
ノーマルスクワットに加え、両手を上に上げることで上半身の筋トレ効果もプラスできます。
腕は耳の横より後ろで広げるのがコツ。慣れてきたらバーベルを持ちながらやるとさらに効果的です。
両足を前後に開いた状態でスクワットを行うことで、より下半身への負荷を高める方法もあります。
こちらも、膝がつま先より前に出ないように注意しながら行いましょう。
足を肩幅よりやや広めに開き、その後前後に開いて前足の膝を屈伸しながら沈み込むような姿勢に。
股関節や膝関節の曲げ伸ばしを行います。
注意点は片足を後ろに出すときに、体のほうに引き寄せすぎないように。
前足の膝が後ろに倒れ気味にならないようにすることもポイントです。
膝を鋭角気味に曲げるように心がけ、すねの角度を意識しましょう。
※写真1の動作
※写真2の動作
さらに、上級者向けの動きとしては、しゃがんで足を曲げた状態のまま(写真1の動作)で片足を後ろに動かし、元に戻すことを繰り返します(写真2の動作)。片足ずつ8回の動作を目安にしましょう。
【有酸素運動】ランニング
ランニングは軽く会話ができる程度の速度で20分以上。無理のない範囲で継続することが大切です。
足腰が鍛えられ、カロリーを消費しやすいため、体力づくりやダイエットに効果的です。ウォーキングと比べると体への負荷が大きいため、脂肪燃焼効果は高くなります。ペースを乱さないようにすることもポイントです。
上記の無酸素運動のなかから2種類以上の筋トレを8回×3セット。それに有酸素運動である20分以上のランニングを組み合わせたメニューを、まずは1ヶ月半続けることで、効果が期待できます。
有酸素運動と無酸素運動の特性を知り、組み合わせることで理想のダイエットを実現
ダイエットを目的とした運動というと、一般的には有酸素運動を連想しがちですが、大切なことは有酸素運動と無酸素運動をバランス良く組み合わせることです。
ランニングなど有酸素運動の優位性を最大限に引き出し、その恩恵を享受するためには、それぞれの特性を理解したうえで自分自身の体力やライフスタイルに最適なスタイルでメニューを考え、運動習慣を身に付けることが大切です。
脂肪を効率良く燃焼しつつ筋肉量を増やし、太りにくく痩せやすい理想の体づくりを目指しましょう。
ランニングにおすすめの時間帯や服装をまとめた記事もありますので、ぜひ併せて読んでみてくださいね!
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