梅雨の訪れが近付いてきています。梅雨入りまでに、初夏の爽やかな季節を楽しんでおきたいですね。そんな中、2022年6月の【フラット35】金利はどうなったのでしょうか。動向をお伝えします。

2022年6月の【フラット35】金利

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利(最低金利)は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信加入で1.49%となり5月から0.01ポイント引き上げに。一方、融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.36%と、同じく0.01ポイント引き上げて、5ヶ月連続の引き上げとなりました。

【2022年6月金利】

商品名 借入期間 金利(機構団信加入) 前月比 【フラット35】
(全期間固定)
融資比率9割以下 15年~20年 1.36% +0.01% 21年~35年 1.49% +0.01%

 

ARUHI住宅ローンの実行金利一覧

建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHIフラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHIスーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。

 

物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット5」(※団信込み)は1.28%。

物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6」(※団信込み)は1.32%。

物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.33%。

物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7」(※団信込み)は1.34%。

物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.35%。

物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8」(※団信込み)は1.36%。

物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.41%となっています。

物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット9」(※団信込み)は1.44%となっています。

最新の住宅ローン金利はこちら→【ARUHIフラット35】

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

機構債の表面利率は横ばいで2022年6月の【フラット35】金利はわずかに上昇

日銀は金融緩和政策を強く推し進めており、毎営業日の指し値オペを実行しています。そのことから4月から5月にかけての長期金利の水準は0.25%をわずかに下回る水準で概ね横ばいで推移してきました。【フラット35】の金利は長期金利を反映しやすいため、6月の【フラット35】は概ね横ばいと予想していたのですが、下表のようにわずかに上昇となっています。

5月20日に発表された機構債の表面利率は0.5%で前月から横ばいとなりましたが、6月の【フラット35】(買取型)の金利は1.49%となり前月よりも0.01ポイント上昇となりました。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(下図)にあるように、基本的には市場の長期金利を反映して住宅ローンの金利が決まる仕組みになっています。機構債の表面利率はいわば資金の仕入値にあたり、【フラット35】の金利が売値にあたると考えてみれば理解しやすいと思います。このように考えれば、6月の【フラット35】の金利については、仕入値は前月から横ばいだったのに、売値だけを値上げしたというような状態になっています。

ただし勘違いしてはいけないのですが、住宅金融支援機構が利益を上げるために値上げをしたのではありません。住宅金融支援機構は独立行政法人です。独立行政法人は国に代わって公共的な事業を行うために設立され、利益の獲得を目的とせず、独立採算を前提としないからです。つまり国の住宅ローン施策として、金利の水準を上げるべきだという意思があったからではないかと思います。

私がこのように考える理由として住宅価格の高騰があります。不動産経済研究所が公表した調査結果によると、2021年度の首都圏新築マンション価格の平均は6,360万円に高騰しており、バブル経済期の1990年度(6,214万円)を超えて過去最高となっています。この背景には、いわゆる住宅ローン控除の逆ザヤ現象もありますが、やはり住宅ローンの金利がそもそも低金利であることも主な要因だと考えられます。

ただし日銀の黒田総裁は金融緩和政策を堅持しており、長期金利が0.25%を超えないように毎営業日に指し値オペを行う方針を継続しています。日銀が指し値オペを続ける限り、長期金利が0.25%を超えることはないため、【フラット35】の金利がさらに右肩上がりに上昇していくとは考えにくいと思われます。概ねこの6月の水準で頭打ちになるのではないでしょうか。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。

フラット35の仕組み

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