「総理大臣として、この国の舵取りを担う重責を全うしていく」衆院選の結果を受け安倍首相が会見 - BLOGOS編集部
※この記事は2017年10月23日にBLOGOSで公開されたものです
自民党総裁の安倍首相が23日14時から会見を行い、22日に投開票が行われた第48回衆議院議員総選挙の総括と、今後の政策について語った。自民党は衆院選で大勝し、定数が10削減されるなか、選挙前と同じ283議席を獲得。安倍政権も継続することとなった。
安倍首相の冒頭発言は以下の通り。
同じ総裁のもとで3回続けて勝利を得たのは史上初
まず冒頭、台風21号により被害を受けた皆様にお見舞いを申し上げます。まだ北上を続けており、政府としては引き続き、災害応急対策に万全を期してまいります。
我が党が政権を奪還してから5年がたち、国民の皆様から大変厳しい視線が注がれる中、この度、解散総選挙に臨みました。 厳しい戦いとなることはもとより覚悟の上でありましたが、困難な課題に挑戦するためには国民の皆様からしっかりと信任を得なければならない。 その決意の下に自民党公明党の連立与党で過半数を目指し、全国各地で私たちの政策を訴えてまいりました。
結果として、目標を大きく上回る、力強いご支持を国民の皆様からいただくことができました。
連立与党の議席は3分の2を超え自民党単独でも絶対安定多数を大きく上回り、今回、衆議院定数が10削減された中にあって、 前回同様280を超える議席をいただきました。
安定した政治基盤のもとで、「これからも政治を前に進めよ」と国民の皆様から力強く背中を押していただいたことに本当に感謝申し上げます。そして、悪天候の元、足元の大変悪い中で私たちを応援して下さり、投票所に足を運んで下さったみなさまに厚く御礼を申し上げます。
5年前、3年前に続き、みたび私たちは国民の皆様から政権を託していただきました。 総選挙において我が党が3回連続で過半数の議席をいただいたのは、ほぼ半世紀ぶり。 同じ総裁のもとで3回続けて勝利を得たのは立党以来60年あまりの歴史の中で初めてのことであります。 であるからこそ謙虚に政策を進めていかなければならない。本当に身の引き締まる思いであります。 私自身、その責任の重さを深く噛みしめております。
さきほど、公明党の山口代表と連立合意に署名いたしました。 今後とも、自民党と公明党の強固な連立の下で、安定した経済政策、外交・安全保障政策を進めていく。 この選挙戦でお約束した政策をひとつひとつ実行し、結果を出してまいります。
我が国の持続的な成長の鍵は、少子高齢化への対応です。アベノミクス最大の挑戦であります。 生産性革命によって、全国津々浦々に至るまで賃上げの厚い勢いをさらに力強いものとすることでデフレ脱却を目指す。 そして人づくり革命を進めていく、幼児教育の無償化を一気に進め、真に必要とする子ども達には、高等教育を無償化していきます。 消費税の使い途を見直し、子育て世代、子ども達に大胆に投資することで、社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる、全世代型の制度へと大きく改革してまいります。
少子高齢化が急速に進むいま、私たちに立ち止まっている余裕などありません。 年内に政策パッケージを策定し、可能なものから速やかに実行に移してまいります。 緊迫する北朝鮮情勢に対しても国民の皆様からいただいた信頼を背景に力強い外交を展開します。
来月5日にトランプ大統領が来日します。本日も早速お電話をいただきましたが、日本にお越しになったときには北朝鮮情勢についてもたっぷりと時間をかけて協議を行い、緊密な連携を確認したいと思います。
そのあとはAPEC、東アジアサミット、世界のリーダーたちが集うこの場を利用して、ロシアのプーチン大統領や、中国の習近平主席ともこの問題について議論したいと考えています。毅然とした強い外交力によって、北朝鮮の核ミサイルの問題、そして拉致問題を解決する。北朝鮮にその政策を変更させるため、国際社会との連携を一層強めてまいります。そして、いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく。その決意を新たにしております。
少子高齢化、緊迫する北朝鮮情勢、まさに国難とも呼ぶべき事態に対して、総理大臣として、この国の舵取りを担う重責を全うしてまいります。今回の選挙で国民の皆様からいただいた力強いご支持を背に、わたくしは、国民の皆様とともに、ぶれることなくまっすぐに政治を前に進め、しっかりと結果を出す覚悟であります。改めてわたしたち自民党・公明党の連立与党に、3度目となる安定した政治基盤を与えてくださった、国民の皆様に感謝申し上げます。
同時に、今後国民の皆様から私たちに対して、より一層厳しい眼差しが注がれる。そのことをすべての与党議員が強く意識しなければなりません。今まで以上に謙虚な姿勢で、そして真摯な政権運営に全力を尽くさなければならない。そう考えています。
2009年、私たちは野党に転落しました。あの時は本当に厳しい時代でありました。ここにいる同僚議員も含めて、あの時代を共にしたすべての自民党議員の胸に深く刻まれていると思います。わたしたちは有権者の皆様の声に耳を傾けるところからスタートしました。 国民が何を望んでいるかに真摯に向き合い、党内で大いに議論し、政策を磨き上げてきました。その政策をひたむきに、誠実に訴えることで国民の皆様からお力をいただき、再び政権を取り戻すことができた。
そしてその政策をこの5年間ひたすらに実行することによって、ひとつひとつ結果を出してまいりました。 我が国の未来を開くことができるのは人々の耳目を引くようなパフォーマンスではありません。耳障りの良いスローガンでもありません。政策です。政策の実行力です。
あの5年前の政策奪還の時の初心を決して忘れることなく、自民党が一丸となって、そして友党、公明党とスクラムを組んで、これからもすべては国民の負託に応えるため、ひたすらに政策の実行に邁進していく、その決意であります。
私からは以上です。