※この記事は2017年10月17日にBLOGOSで公開されたものです

希望の党との合流で、民進党がほぼ解党状態になったいま、「居場所」をなくした議員たちが苦境に立たされている。希望の新人との激戦が予想される中、かつての民主党・民進党で要職を務めたベテラン議員たちは、メンツを保てるか―― 【BLOGOS編集部・野呂悠輔】

千葉4区 野田佳彦氏

共同通信社
当初は希望の党からの出馬すると見られていた野田前首相。しかし、希望・細野豪志氏の「三権の長を経験された方はご遠慮いただいた方がいい」との”合流拒否”発言を受け、「先に離党していった人の股をくぐる気は全くない」と、無所属での出馬を決断した。

9日の街頭演説では「背水を超えた“水中の陣”」と危機感を訴える一方で、地元・千葉4区では依然「野田一強」の圧倒的人気との見方が強い。大のプロレスファンとしても有名な野田氏だが、永田町からの「リングアウト」だけは避けたいところだ。

【千葉4区】
深津俊郎(69) 共産・新人
野田佳彦(60) 無所属・前職 当選7回
木村哲也(48) 自民・新人
佐藤 浩(52) 維新・新人 

東京18区 菅直人氏

共同通信社
民進党の分裂を受け、立憲民主党からの出馬となった菅直人元首相。

立候補する東京18区では、自民党・土屋正忠氏と「土菅戦争」とも呼ばれる激しい戦いを繰り広げてきたが、最近二回の選挙では二敗と劣勢。今回も両氏の接戦が予想される中、希望の党からも刺客が送り込まれた。3極の激戦を制すのは誰か、注目だ。

【東京18区】
鴇田 敦 (51) 希望・新人
菅 直人 (71) 立憲・前職 当選12回
土屋正忠 (75) 自民・前職 当選3回

三重3区 岡田克也氏

BLOGOS編集部
希望とは「考え方が違う」、立憲民主党とは「(政策的に)ぴったりしない」と、無所属での出馬を決めた岡田克也元民進党代表。野田佳彦氏、江田憲司ら無所属で出馬する民進党出身議員らとネットワークを結成し、選挙後の連携も狙う。

希望の新風が吹く中、連続当選9回、三重3区の牙城を死守し、かつて、蓮舫氏から評された「つまらない男」の汚名返上なるか。

【三重3区】
坂本麻貴 (33) 幸福・新人
岡田克也 (64) 無所属・前職 当選9回
野村真弘 (61) 共産・新人
島田佳和 (47) 自民・前職 当選2回

佐賀1区 原口一博氏

共同通信社
原口氏は当初、希望の党からの一次公認を受けていた。しかし、希望の党が安倍首相を評価する発言をした中山成彬を比例九州ブロックの上位候補に擁立。これに安倍一強打破を大義に掲げる原口氏は「合流した意味がない」「妥協して当選しても何の恩返しにもならない」として、公認を辞退。無所属での出馬を表明した。

立候補する佐賀1区では、これまで自民党候補・岩田和親氏と交互に議席を奪い合う激戦を展開してきた。2012年の選挙では岩田氏に軍配が上がり、比例復活で救われた。膝下を複雑骨折し、車椅子での選挙活動という苦しい戦いを強いられた2014年の選挙では、岩田氏と2500票差で辛勝という結果に。今回、比例復活のない原口氏は、背水の陣で挑む。

【佐賀1区】
岩田和親 (44) 自民・前職   当選2回
中島 徹 (43) 幸福・新人
原口一博 (58) 無所属・前職 当選7回

神奈川8区 江田憲司氏

BLOGOS編集部
「仲間が選別されていく惨状の中、私がノウノウと希望に行くわけには行かない」と、無所属での出馬を選んだ江田憲司・元民進党代表代行。

出馬する神奈川8区では、かつての「みんなの党」での盟友・三谷英弘氏が自民党から出馬する。江田氏は「選挙後は政界再編に身を投じ、政権担当能力のある政党を全力で作り上げる」と出馬表明の場で決意を語ったが、その思いは果たされるのか。

【神奈川8区】
加藤リカ (45) 共産・新人
大西恒樹 (53) 諸派・新人
江田憲司 (61) 無所属・前職 当選5回
三谷英弘 (41) 自民・元職 当選1回